2025年度に中央各省庁が予定する営繕計画書に関する国土交通大臣の意見書が、20日付で各省庁の長と財務大臣へ送付された。各省庁が25年度に営繕計画を実施するための所要経費総額は、5387件で約4951億円になる見通し。24年度の約4998億円からは0・01%減、約50億円減っている=表参照=。防衛省が300億円減少したが、法務省250億円増、内閣府110億円増加し、前年度並みとなった。
国家機関における建築物の整備水準均衡を図るため、国交大臣が各省庁の営繕計画書に対して、技術的な見地から施設整備の緊急性や業務を行う上での基本機能に関する評価などの意見を述べる制度で、概算要求に先立ち毎年度行っている。
総括意見では、第3次担い手3法への対応として営繕工事の発注者は「地域の実情を踏まえた適切な発注条件の設定」「適正な工期、履行期間の設定」「工事、設計業務などの実施時期平準化」「適正な予定価格の設定」「施工段階での賃金水準・物価水準の変動を踏まえた請負代金額の変更」「情報通信技術の活用」「脱炭素化の促進」「新技術活用等での生産性向上」が図られるよう求めた。さらに、営繕工事の企画立案段階で「官庁施設に求められる機能、規模等を踏まえた予算確保、適正な事業期間の確保のための国庫債務負担行為活用等の必要な措置を講じる必要がある」とした。
防災・減災対策の推進へ耐震安全性の確保等で防災機能強化、防災関係機関が初動期に緊密な連携がとれるよう立地の集約化、広域防災拠点機能の強化を求める。津波対策・浸水対策も総合的・効果的に推進する必要性も示した。
ほかにも、長寿命化の推進、地域社会との連携、環境負荷低減、木材利用などに言及している。 25年度の営繕計画の内訳は▽新営等=約2334億円(531件)▽改修等=約2617億円(4826件)―となっている。
ちょこっと補足
各省各庁の営繕計画書は7月末までに提出を受け、8月20日までに意見書を送ることになっている。計画に位置付けた工事全てを実施することにはならず、提出段階から、意見書送付を経て、概算要求段階までで、件数はおおむね7割程度まで絞りこまれる傾向があると言われる。