国土交通省は道路、河川などの維持管理工事で8類型の入札契約方式を試行しており、さらに効果的な入札・契約方式の選定へ8類型を組み合わせによる発注を検討する。22日の発注者責任懇談会の維持管理部会で明らかにした。組み合わせを含めた入札契約方式選定フローも提案しており、具体化を詰めることになる。
8類型は▽長期性能保証▽性能規定方式▽ECI(技術提案・交渉方式)▽設計工事連携型▽地域維持型JV▽事業協同組合▽参加者確認型随契▽フレームワーク方式―。目的別に、性能を保証、設計・仕様への関与、企業連携(維持管理の担い手確保)、手続きの簡素化に分けられ、その効果も統一して発揮されるものでもないため、それぞれを補完し合える方式を組み合わせることで、さらなる効果を目指す。
効果的な入札契約方式の組み合わせは、地域や現場の課題などから選択していくことになる。例えば、性能規定方式に対しては、企業連携(地域維持型JV、事業協同組合)、手続き簡素化(参加者確認型随契、フレームワーク方式)は有効とされる。逆に性能規定方式では設計・仕様への関与(ECI、設計工事連携型)との組み合わせは効果的ではない。
入札契約方式選定フローに関しては委員から、受注する企業がいる前提になっている点や、維持・修繕・災害対応の3点に応じたものとすべきなどの指摘があった。今後、地方整備局での試行に向けて委員意見や実態把握などから、組み合わせやフローの検討を重ねることになる。これらが固まることで、ガイドラインの変更など運用関係の見直し、関係省庁への照会などを行う。検討の進捗により時期は変動するが、最短でも試行を実施できるのは25年度からとなる。
ちょこっと補足
8類型のうち「参加者確認型随意契約方式」は、特殊技術等を要する工事で、契約予定者以外に参加者がいない場合に契約予定者と随契するタイプ。第3次担い手3法における品確法改正で、当該地域において競争が存在しない状況が継続されると見込まれる公共工事などで発注者は「競争が存在しないことを確認した上で随意契約によることができる」旨が“多様な入札および契約の方法”の節に追加され、法律に位置付けられた。

















