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茨城県つくば市

4カ所に工業団地/都市マスプラ改定案 筑波北部の北西に/産業集積拠点の候補地

2024/08/27 日本工業経済新聞(茨城版)

 つくば市は、都市計画マスタープランおよび立地適正化計画の改定を実施する。主な改定点として、産業集積拠点候補地4カ所を設定。地域別構想(エリアプラン)のエリア分けを変更し、地域の将来像を示した。整備方針(実施施策)には、スーパーサイエンスシティ実現や周辺市街地の活性化などを盛り込む。立地適正化計画では、居住誘導区域内における必要施設の見直しを実施。「拠点連携型持続可能都市」の構築を進めていく。

 計画案では、つくば中央IC周辺地区に加え、新たに筑波北部工業団地の北西、つくばテクノパーク豊里の南東、上河原崎・中西地区の西側、緑が丘地区周辺を産業集積拠点候補地として設定。必要に応じて商業・工業・流通業務機能を有する施設立地の促進を図るとしている。

 地域別構想(エリアプラン)では、旧町村などによる8区分から、東西南北+中央の5区分へエリア分けの変更を行った。各エリアの特徴を踏まえつつ、目指すべき将来像を新たに設定。実現に向けた整備方針を提示した。

 北部エリアは「筑波山の自然・恵みがもたらす歴史とレクリエーションのまち」として、筑波山観光・レクリエーションエリアを形成。また、公的不動産(秀峰筑波義務教育学校、旧大穂庁舎、田水山小跡地など)の有効活用による活力向上を目指す。

 西部エリアでは「首都圏へのアクセス性に優れ、市街地と自然・田園が調和した魅力あるまち」の実現に向け、つくばエクスプレス沿線地区(萱丸地区・島名・福田坪地区、上河原崎・中西地区)における市街地形成を図る。産業拠点形成や(仮称)つくばスマートIC整備も推進していく。

 「水辺をのぞむ利便性の高い安全・安心なまち」を掲げる南部エリアでは、牛久沼観光・レクリエーションエリアの形成を図るとともに、水辺環境・田園景観の保全を図る。

 東部エリアにおいては「多様な市民と緑豊かな自然が共存する住み続けたいまち」を目指し、つくばエクスプレス沿線の中根・金田台地区で生活利便性の高い市街地を形成。

 中央エリアに関しては「高度な都市機能を備え、人々が集う、にぎわいあふれるまち」を将来像として掲げる。スーパーサイエンスシティ構想や脱炭素先行地域の実現を盛り込み、つくば駅および研究学園駅周辺の都市機能充実を目指す方針だ。

 また、全エリアで安全・安心な田園市街地の形成を目標に掲げ、道路整備などを推し進めていく。

 立地適正化計画では、生活利便性の向上を目的に、居住誘導区域内における施設誘導の見直しを実施。誘導施設以外の必要な施設として追加したのが▽商業機能(ドラッグストア、コンビニ)▽児童福祉機能(地域子育て支援拠点)▽文化・交流機能(交流センター・会議室など)▽医療機能(薬局)▽健康機能(体育館・テニスコートなど)▽公園機能(都市公園)-となる。

 その他、研究学園駅周辺(葛城地区)で新たに68・1haを都市機能誘導区域に設定。

 吾妻二丁目公務員宿舎跡地については、イノベーション拠点を誘導するため、居住誘導区域から除外する。

 計画の目標年次を2045年度までに設定。25年1月の計画策定に向け、9月12日まで改定案に対するパブリックコメントを実施している。

 問い合わせは都市計画部都市計画課(研究学園1-1-1、電話029-883-1111)まで。

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