那須塩原市は、新庁舎の概算建設工事費を22億円増の135億5000万円に見直した。内訳は建築工事113億5000万円(外構含む)に蓄電池4億円を加えたほか、高騰が続く工事費対策分として18億円を見込んだ。那須塩原駅周辺整備室では2025年5月末の実施設計完了後、速やかに施工者選定公告を行い、9~10月の市議会に工事請負契約締結承認議案を上程したい考え。工事完了は27年度下期を目指している。
市は23年3月に基本計画を改定。新庁舎の概算工事費を建築工事費108億5000万円、外構5億円の合計113億5000万円としていた。
工事費の高騰が今後も続くと見ており、実施設計でコスト縮減を検討。基本設計の方針やコンセプトを踏まえつつ面積の縮減や仕様の見直しなどを進めており、現時点での概算工事費をまとめた。25年度に施工者を選定し、27年度中の開庁を目指すスケジュールは変更していない。
建設工事費以外では、27年度のソフト事業費として什器や情報ネットワーク構築などに21億9000万円、25~27年度の工事監理に2億7000万円を見込んでいる。
ソフト事業の内訳は机や椅子、カーテン、ブラインドなどの什器・インテリア10億円、LAN配線など情報ネットワーク5億4000万円、議会や防災、入退室管理など各種システム6億円、移転業務5000万円。
基本設計段階における新庁舎の規模はRC造(一部S造)4階建て建築面積約7550平方m、延べ床面積約1万5400平方m。最高高さは約23m。免震(一部耐震)構造。車庫棟はS造平屋建て約700平方m。高さは約5m。基本・実施設計は安井建築設計事務所・隈研吾建築都市設計事務所共同体。
建設予定地は那須塩原駅西口から約500mの前弥六南町7-1ほか。敷地面積は2万9674・94平方m。
新庁舎は市民公園や市民ホール、カフェなどの市民利用施設を連続的に配置し、北側に行政機能を集約。まちをつなぐウォーカブルな市役所、まちに開かれた市民活動拠点、防災庁舎とし、自然と共に生きる「Nearly ZEB」の環境庁舎を目指している。
財源は一般財源5000万円のほか新庁舎整備基金約25億円、合併振興基金30億円、森林環境整備促進基金4000万円、合併特例債71億円、脱炭素化推進事業債3億円、地域活性化事業債5億円を想定。ZEB化による二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金などの活用を検討する。