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新潟県鉄骨工業組合が鉄骨製作図問題解消を知事に要望

2024/08/29 新潟建設新聞

 新潟県鉄骨工業組合(秋山順一理事長)は26日、県庁を訪れ、花角英世知事に鉄骨製作図問題の是正・解消に向けた要望を行った。

 工事ごとの受注生産となる鉄骨製作・加工において、鉄骨製作図の作成を含む工事工程や施工図、材料決定など「もの決め工程」が順守されず、承認・確定が遅延することで鉄骨製作および建て方の工期を圧迫している。また、設計図書が不十分、追加・変更指示の多用による遅延、手戻りにより業務量が増加。加えて増加分が下請け契約に反映されず鉄骨ファブリケーターの負担となることが問題となっている。  

 これまでも業界内での積年の課題とされていたが、近年の人手不足や2024年問題などで一層深刻さを増している。

 秋山理事長は、「図面の遅れが加工期間を圧縮し、残業して対応していかなければならない。図面担当者は客先と工場との板ばさみで辞めてしまう。他業種でも同様の問題意識を持っていると思うが、積年の問題を表に出して改善していきたい」と訴え、県に対し、設計監理および元請け担当者への指導のほか、設計段階での十分な協議を行い、工事着手後に変更、追加等が発生しないよう要望。また、遅延、手戻りなどで業務量が増加した場合には工期や下請代金に適切に反映されるよう求めた。

 要望を受けた花角知事は「長年にわたる業界の慣習を変えることは簡単ではないが、関係団体等に適正な取り引きを慣行するよう話をしていく」とした。

 鉄骨製作図問題については、全国組織である全国鐵構工業協会でも要望書をまとめ改善に向けた活動を展開している。同組合でも新潟県建設業協会や日本建築構造技術者協会(JSCA新潟)に対して要望を行っている。

【写真=要望書を提出する秋山理事長(中央)】

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