文部科学省の2025年度予算概算要求では、新しい時代の学びを支える学校施設整備として公立学校施設整備に2048億円、国立大学・高専等施設整備に771億円、私立学校施設等整備に336億円のほか事項要求も行う。公立学校整備では標準仕様の抜本的見直しや物価変動の反映等による単価改定があり、対前年度比19・6%増。なお、一般会計は5兆3384億円で、前年度当初予算比で11・5%増としている。
公立学校施設整備では、学校施設の長寿命化を図る老朽化対策、バリアフリー化、特別支援学校の整備、他施設との複合化・集約化、校内ネットワーク環境の整備、非構造部材の耐震対策、避難所としての防災機能強化、空調設置、様式化を含めたトイレ改修等、学校施設のZEB化(高断熱化、LED照明、高効率空調、太陽光発電等)、木材利用の促進(木造、内装木質化)を計画。
具体的な支援策として、特別支援学校の教室不足解消に向けた環境整備等のための改修等の補助率3分の1を2分の1へ引上げの時限延長(29年度まで)、屋外教育環境の整備に関する事業の補助時限を延長(29年度まで)を掲げる。単価改定は対前年度比19・6%増としたため、RC造の小中学校校舎の場合、24年度の㎡当たり29万6000円が、25年度は35万4100円となる。
国立大学・高専等施設整備では、安全・安心な教育研究環境の整備、イノベーション拠点の強化やカーボンニュートラルに向けた取り組みを進める。施設の戦略的リノベーションによる老朽改善、DXを含む教育研究の高度化・多様化・グローバル化等の機能強化、施設の長寿命化、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化を促進し、キャンパスの質および魅力の向上を図る。
私立学校施設・設備整備は、引き続き非構造部材や構造体の耐震対策、避難所機能の強化等の防災機能強化を重点的に支援。熱中症による事故の防止へ空調設備整備を推進。光熱費高騰等への対応として照明設備のLED化・空調設備の高効率化を加速する。
このほか、不登校対応で校内教育支援センターの設置促進事業に2億4000万円を要求。公立の小・中学校のうち、新たに設置する学校に対し、設置に必要な経費の支援を行う。対象は1600校。負担割合は国が3分の1、ほかは実施主体が負担する。