県河川課は3日、8月24~26日の豪雨による公共土木施設の被害状況をまとめ、60カ所で被害額が24億700万円。内訳は県管理が56カ所22億5600万円、市町管理が4カ所で1億5100万円となった。被害は県中央部から北西部に集中しており、土木事務所で最も被害が大きかったのが矢板土木の21カ所で14億円。次いで鹿沼土木が20カ所で4億1900万円、日光土木11カ所2億7000万円。10月末をめどに実施する災害査定に国庫災害復旧事業として申請する見通し。
県管理施設のうち最も被害額が大きいのが河川の49カ所17億6900万円。宇都宮市石那田地内の1級河川田川右岸でブロック積み護岸が崩落、流失した。
砂防は3カ所4億1400万円。鹿沼市大久保地内の上山沢左岸ではブロック積み護岸が崩壊。ブロックが積まれた上部の土羽部分がえぐられ流された。
道路は4カ所で7300万円。鹿沼市上久我地内の一般県道石裂上日向線で南側に隣接して流れる1級河川荒井川が氾濫。ガードレールや路盤を押し流した。
市町管理施設は道路が2カ所5100万円。塩谷町風見山田地内の町道大宮佐貫線で用水路に沿った見下げ法面が崩落。ガードレールの杭部分が露出した。
橋梁は2カ所で1億円。壬生町羽生田地内の1級河川黒川を渡河する町道6号線の通学橋が流失。1971年架設で、有効幅員2mの鋼単純H桁。
地域住民が利用し徒歩や自転車、軽トラック、農耕車などがまれに通る程度。増水時には床版が河川内に沈下する潜り橋で直近では19年東日本台風で被災している。
道路は応急復旧工事に着手。橋梁の一部が流失した通学橋は通行止め措置を実施。河川と砂防は災害査定を踏まえ本復旧工事に着手する予定。
豪雨は日本に接近した台風10号の影響で線状降水帯が発生。本県の中央部から北西部にかけて記録的な雨量を観測。宇都宮地方気象台の発表によると、塩谷で81㎜、宇都宮で74㎜、鹿沼が56・5㎜、黒磯では45・5㎜となった。