国土交通省は、公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針(品確法基本方針)の改正骨子案を明らかにした。5月に成立した第3次担い手3法を踏まえた改正で①品確法改正への対応②建設業法等改正への対応③昨今の課題への対応―が大きな柱。さらに、担い手確保、地域建設業の維持、生産性向上、発注体制の強化などを位置付けている。
品確法改正への対応で大きくウエートを占めるのは担い手確保。処遇改善・価格転嫁で、技能労働者の処遇改善(能力に応じた処遇確保等)、円滑な価格転嫁に向けた環境整備(スライド条項の適切な運用等)を盛り込む。
働き方改革・環境整備では、週休2日工事の推進(工期・予定価格の適正設定等)、施工時期の平準化に向けた関係部局連携の強化、外国人などの多様な人材の確保に向けた環境整備、国による休日・労務費等の実態把握 ・広報・啓発活動充実を挙げている。
地域建設業等の維持へ、地域の実情を踏まえた適切な入札参加条件・規模の設定等、災害対応力強化(保険加入促進・適正積算、復旧・復興JV活用等)を位置付ける。
生産性向上に関しては、ICT活用推進(データ引継、CCUS活用等)、技術開発の推進、発注関係事務におけるICT活用、新技術活用(VFM・脱炭素化等)があがってくる。
公共工事等の発注体制強化では、発注関係事務の実態把握、発注者に対する助言・支援、維持管理における広域連携の推進などがある。
建設業法等改正への対応については4項目。円滑な価格転嫁に向けた環境整備で、誠実な契約変更協議の実施等。また、技能労働者の処遇改善、ICT活用推進(現場管理の効率化等)、発注関係事務におけるICT活用(施工体制確認等)。
昨今の課題への対応としては、時間外労働規制に対応可能な工期設定、工期設定における猛暑日の考慮といった3月の工期に関する基準の改定を踏まえた追加項目。さらに、快適トイレ等といった多様な人材の確保に向けた環境整備を挙げている。
なお、品確法基本方針は閣議決定案件となっている。2015年度の運用開始を想定しているため、今冬に決定となる見通し。