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建設業労働災害防止協会埼玉県支部

建災防埼玉県支部が労働局と浦和で合同パトロール

2024/09/09 埼玉建設新聞

 埼玉労働局と建設業労働災害防止協会埼玉県支部(建災防)は5日、建設現場の県下一斉合同パトロールを実施した。当日は埼玉労働局と県内8カ所の労働基準監督署、さらに建災防各分会の合同で、県内の70カ所の建設現場をパトロール。各現場では施工担当者から施工状況や安全への取り組みの説明を受け、パトロールでは安全衛生の取り組みを確認するとともに、無事故無災害で竣工を迎えられるよう安全作業を要請した。

 この取り組みは、全国労働安全衛生週間準備期間に行う取り組みとして、また、建災防の「一人KY推進運動 埼玉」の強調月間行事として実施した。

 埼玉労働局の片淵仁文局長と建災防の島村健支部長は、さいたま市浦和区で工事が進む浦和駅西口南高砂地区第一種市街地再開発事業に伴う施設建築物新築工事現場を訪問した。建築物は地上27階、地下2階、RC・S・一部SRC造の延べ床面積9万7739㎡で、525戸の共同住宅や店舗、市民会館の公共施設等で構成される。昨年1月に着工し、2026年6月完成予定。設計・監理は安井建築設計事務所、工事施工者は前田建設工業・斎藤工業・タカラレーベンJV。当日は作業員370人、協力会社50社で、3F床コンクリート打設、鉄骨建て方、支保工組立などをタワークレーンも3機稼働する中、行っていた。

 現場パトロールに先立ち、施工者から工事概要、作業所の取り組み等が報告された。作業所の取り組みでは、地下階、地上階別に施工改善策や安全対策が実施され、熱中症対策では、クールダウンスペースや製氷機、冷水器を各所に設置している状況を説明。また、現場における外国人就労者は、8月26日の集計で全作業員数352人のうち81人と23%を占めていることを報告。国籍ではインドネシアが49・4%とおよそ半数を占め、ベトナム22・2%、フィリピン14・8%と続いている。こうしたことから英語のほかベトナム語でも新規入場者教育を行い、一人現地KYは中国語、タガログ語、インドネシア語でも行っている。

 昼礼会場で、午後からの作業員を前に片淵局長は、埼玉県内の建設業労働災害死亡者数が前年比で増加し、業種別で最多となっている現状を報告した後、「本日は特に墜落、転落災害の防止対策や熱中症対策を確認する。パトロールを契機に一層の安全衛生活動の推進と災害撲滅のための取り組みを推進してほしい」と講話を行った。

 パトロールでは、最初に西棟躯体工事現場から鉄骨建て方工事、さらに休憩スペースを巡視した。パトロール後の講評では、職長クラスのコミュニケーションが活発なことや各現場で安全対策が徹底されていること、さらに熱中症対策を高く評価した。また、現場が浦和駅に近く交通量が多いことから、交通安全対策を一層徹底するよう要請した。島村支部長は「本日の作業所は髄所に安全に対する工夫が見られ、参考としたい」と評価。JVの阿部義則統括所長は「パトロールは安全を見直す良い機会になった。竣工まで2年弱となったが、無事に竣工できるように一層災害防止に努めていきたい」と決意を新たにした。

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