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【国交省就任インタビュー】総力挙げて復興支援/藤巻水管理・国土保全局長

2024/09/13 本社配信

 7月に国土交通省水管理・国土保全局長へ着任した藤巻浩之氏。「能登半島地震など被災地の創造的復興をインフラ分野から支えたい。水はライフラインであり被災地復興に不可欠」との考えを示す。頻発する豪雨などの被災者に対して「一日も早く元よりも良い生活を取り戻せるよう、局の総力を挙げて復旧復興を支援していく」と抱負を語る。

 国土強靱化には、しっかり取り組む姿勢を明確にし「これまでの7年間に取り組んできたところは効果が出ている。一方で、毎年のように被害が出ているのは国土強靱化が手当できていない。これからも都道府県等と一緒になって、しっかりと進めてきたい。そのためには流域治水を国交省が旗振り役になって頑張る」と決意を表した。

 気候変動で降雨量の増大もあり、流域治水は流域治水2・0で深化させる。さらに、治水、環境、利水で流域総合水管理を展開していく。

 流域治水2・0の柱の一つに「既存施設をとことん使い倒す。ダム、遊水地、排水機場などが強化できる。ここを頑張りたい」と話す。また、他の機関の施設と連携するなど、タブー視せずに施策に取り組む姿勢。

 流域総合水管理では、治水、環境、利水がバッティングすることがある。そこで「知恵を出し合い、お互いにウィンウィンに持っていくよう旗振り役となる」との思い。また河川ごとに特性があるため「特性に応じた強みを生かした」ものにする考えだ。

 河川の地下空間活用に関しては「川幅を広げることができない都市部で、中規模河川に効果がある」とみている。さらに事業化するのであれば、他事業との連携も視野に入れるべきとしている。

 災害の復旧では即日現場に入るなど「建設業界の力添え、また一緒にやらなければインフラ整備も国土強靱化も全くできない」と語り、業界には大きな期待を寄せている。

 若手職員には、「世間相場、肌感覚、常識を大事にしてほしい。自分がやろうとしている仕事が世間にどう見られているか、どういうインパクトが期待されているのかなどを意識しながら、仕事する癖をつけてほしい。横や斜めの連携も大切」と伝えている。

 身体を動かすのが好きで毎日、テレビ体操や筋肉体操に取り組む。ワイナリーや造り酒屋、ブルワリーを巡りたいと夢を描く。


【略歴】ふじまき・ひろゆき

1991年京都大学大学院工学研究科修了、建設省採用。国交省水管理・国土保全局河川計画課河川情報企画室長、治水課事業監理室長、九州地方整備局企画部長、関東地方整備局長などを経て7月から現職。1965年7月23日生まれ。神奈川県出身。

インタビューに応じる藤巻局長

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