土浦市は、消防庁舎の新築を計画している。現在は用地交渉を進めており、9月補正予算案には土地評価業務費531万3000円を編成した。順調にいけば2025年度に基本・実施設計を発注。26年度に造成工事を行い、同年度中に庁舎本体工事に着手したい考え。新庁舎は、土浦消防署南分署(桜ヶ丘町地内)および荒川沖消防署(中地内)を集約し、体制強化を図るもの。
建設予定地が、右籾地内の約7500㎡(市街化調整区域)。国道125号バイパスと県道土浦竜ヶ崎線の交差点南側に位置する。現地は高低差などが少なく、大規模な造成工事を要しないことから候補地として選定した。施設は事務棟、車庫棟、訓練エリアで構成。規模等については検討中としている。国道125号バイパスと県道土浦竜ヶ崎線の双方からの出入りが可能な配置を想定している。
導入機能としては現在の庁舎機能に加え、更衣室やシャワー室などの女性職員用設備を盛り込む。また、救急消毒室および講堂を新たに整備。講堂は市民向け救急講習や自主防災訓練などの会場としての利用を想定している。他には、来庁者用駐車場や自家用給油取扱所、訓練施設なども設ける計画だ。
配置人員に関しては、南分署と荒川沖署を合わせた40人弱となる見込み。現在の人員配置は南分署15人、荒川沖署23人となっている。本部バックアップ機能を有する市南部の防災拠点としての整備を推し進める。
整備に際し①災害に強く持続可能な庁舎(インフラが断絶した場合でも自立して稼働)②活気のある庁舎(消防職員の疲労を軽減し、積極的な活動をサポート)③機能性を追求した庁舎(出動動線の合理化や資機材保管スペースの確保など)④経済的な庁舎(省エネルギー設計や長寿命化へ対応)―を、コンセプトに掲げている。
集約する2署の概要が▽土浦消防署南分署(桜ヶ丘町13―1)=S造平屋建て、床面積320・59㎡、1983年度築、敷地面積708・02㎡、配置車両3台▽荒川沖消防署(中荒川沖町27―12)=RC造2階建て、延べ床面積537・82㎡、74年築、敷地面積3361・80㎡、配置車両4台となる。施設の老朽化や狭あい、機能の陳腐化が課題となっている。用途廃止後の利活用方針については今後、協議を進めていく方針。