幸手市は新たな庁舎の整備へ向けた基本構想素案を明らかにした。現庁舎の耐震性が不足していることから、新たな庁舎に必要な規模や機能を具体化。今後の基本計画などを目指し、新庁舎整備の方向性を示す。整備候補地に関しては、現庁舎の敷地を活用する案が現段階で最も有力とみる。
現庁舎は、本庁舎(RC造一部S造3階建て、延べ床面積2793・95㎡)と第二庁舎(RC造2階建て、延べ床面積2003・82㎡)で構成する。そのほか、旧浄書センターや防災倉庫、車庫などの付属棟を備える。
11年度に耐震診断を行った結果、構造耐震基準を下回っていることが判明している。
新たな庁舎を整備するに当たって、現庁舎が抱える「バリアフリー化やユニバーサルデザインの導入」「狭あい化の解消」「分散している庁舎機能の集約」などの課題に対応を図る。
基本構想の素案では、新たな庁舎に必要な機能を▽市民サービス▽議会▽防災拠点▽行政執務▽市民交流▽環境負荷低減――の6点に整理。図書館・公民館・消防署などの公共施設を複合化させる方向も検討していく。
将来的に必要な規模を推計すると、最低規模ならば延べ床面積が約2800㎡との算定結果が出ている。庁舎に付帯機能を導入するなど、最大の規模を確保した場合には約1万㎡が必要とした。
事業手法は設計・施工を個別委託する「従来手法」だけでなく、民間活力導入も視野に入れる。
市民アンケートやワークショップの結果を踏まえて、整備候補地には計11案を選定していた。基本構想素案では、そこから事業の実現可能性が高い「現庁舎」「ウェルス幸手周辺」「権現堂川小学校」「さかえ小学校」の4案を抽出した。
整備候補地にある現況施設を活用する方向も検討したが、整備コストを踏まえると、4案いずれも新たな施設を整備する方向に優位性があった。
事業期間や交通アクセス、施設連携・複合化の可能性などを総合的に判断すると、基本構想素案段階では現庁舎の敷地を活用する案が最も高い評価となっている。