県日光土木事務所は、国道121号文挾バイパス1期工区(日光市板橋~小代、延長約3500m)で、近く飛土沢を渡河するボックス工3件を指名競争入札で発注する。工事は落合中学校東側第2調整池付近を2分割、工場近くに整備する北側の第1調整池付近の計3件。委託ではバイパス2期工区(小代~鹿沼市境、延長約3900m)の平面図化を2分割、3次元測量で近く発注する。同地を流れる1級河川行川の浸水想定区域図のデータが活用できると判断。平面図化に流用し測量の成果品を固める。
工事区間の文挾バイパスは盛り土形式。ボックス工の規格は北側第1調整池付近が高さ1・5m、幅5・5mで長さ33・3m。第2調整池付近は高さ2m、幅5m、長さ58mを2分割で発注する。
文挾バイパス1期工区は2023年度から工事に着手。交差する市道を工事用道路に活用し、6カ所の盛り土区間には中層混合処理工法で地盤改良する。橋梁は道路設計の成果を踏まえ、2025年度以降に詳細設計の発注を検討。飛土沢を流末先に3基の調整池の諸元も固めた。
文挾バイパスは現道の西側を通るルート。全体延長は13年3月に開通した板橋バイパスの板橋交差点北側の現道から分岐し、鹿沼市境まで約7400m。
1期工区はルート南端で主要地方道宇都宮今市線をオーバーパス。橋梁形式に決めランプ形式で接続する。橋長は36m、上部形式に単純鋼鈑桁。下部工は逆T式橋台2基を想定した。調整池のうち南端の第3調整池はランプ中央部に配置。面積が5042平方m、容量は1516立方m。
調整池は北側からルート中央部に第1、落合中学校付近が第2、宇都宮今市線との交差点付近に第3。いずれも普通河川飛土沢を渡河するボックスカルバート付近に計画。
北側の第1調整池の面積が2027平方m、容量2149立方m。中央の第2調整池は面積2290平方m、容量1284立方m。1期工区北側の道路と第1、第2調整池の詳細設計をダイミック、南側道路と立体構造物、第3調整池、施工計画は富貴沢建設コンサルタンツが担当。
全区間にわたり切り土や盛り土が多く軟弱地盤の改良工を実施するほか、既設の市道などをアクセス路に施工計画を精査した。現道が杉並木で大型車に対応できる工事用道路の確保が難しいため、効率的な施工手順を検討した。
施工計画では交差する市道をポイントに4ブロックに分割。切り土した残土を調整池用地などに仮置きする。ルートは谷地を通るため高低差があり、高盛り土区間では飛土沢を渡河するボックス工2カ所を施工する。
宇都宮今市線との交差部は、バイパスが北側の切り土区間から宇都宮今市線と飛土沢の上部を横断する。接続は飛土沢の南側に道路を築造。バイパスの東側にランプ形式で接続させる。
市道とは平面交差。主要交差点は板橋交差点付近の1016号線、落合中学校付近の1018号線など。このほか幅員が狭い市道との交差が数カ所あり、盛り土区間などでは側道を利用し交差点を統合する計画。
バイパスは2車線。標準幅員は家屋が多い北側の約700mを両側歩道の14・5m、南側の約2800mは片側歩道の12m。幅員構成は車道3・25m×2、自転車専用通行帯1・5m×2、歩道幅員は2・5m。片側歩道は落合中学校がある西側に設置する。交差点部は3mの右折レーンを確保する。
2期工区は宇都宮今市線交差部から鹿沼市境までで、コントロールポイントを抽出。概略ルートの検討に先立ち、平面図化を実施する。