国土交通省は社会資本整備の羅針盤となる重点計画の次期計画策定に向け、現行計画見直しの方向性を示した。社会資本整備を取り巻く環境から重点目標案として▽活力ある持続可能な地域社会形成▽強靱な国土が支える持続的で力強い経済社会▽グリーン社会をけん引する社会資本整備▽戦略的・計画的な社会資本整備を支える基盤の強化―を掲げた。特に、現行計画ではストック効果の方向性で新たにインフラマネジメントの方針を構築しようと、素案もまとめた。
次期計画の主な構成案は▽社会資本整備を取り巻く社会課題と目指す社会の姿▽新たなインフラマネジメントの方針▽社会課題解決に向けた中長期を見据えた社会資本整備の方向性―を示した上で、重点目標と政策パッケージを重点施策として、KPIの整理を行うもの。
重大な変革期にある日本で、社会の共有財産であるインフラが、人と社会が直面する社会課題の解決に貢献し、社会的使命を果たしていくことが求められていることから、社会課題の解決を中核に据えて計画をまとめようと4つの重点目標案を示した。
持続可能な地域社会の形成は、広域連携、将来像を見据えたインフラ再構築などを目指す。力強い経済社会に向けて、敬座成長の実現、防災・減災、国土強靱化が挙がる。グリーン社会はカーボンニュートラルはじめ、資源循環型の経済社会システム構築。社会資本整備を支える基盤の強化では、自治体の管理機能維持、担い手の確保・育成、DXによる省人化、新技術・DXによるインフラの価値向上を掲げた。
インフラマネジメント方針素案では▽ハード・ソフトの一体的な活用▽施策・事業間や地域間の連携▽官民等の連携・協働▽地域の住民など多様な関係者の共感と参画▽新技術・DXの加速化によるイノベーションの創出―を打ち出している。
25日に開かれた社会資本整備審議会計画部会・交通政策審議会交通体系分科会計画部会で国交省が説明した。冒頭、塩見英之総合政策局長が「社会資本整備と交通政策は、国交省に課せられた任務を遂行する上で最も重要な基本政策。社会資本整備重点計画、交通政策基本計画は、国だけでなく地方自治体、民間企業含めて広く関係者の指針になるもの」と説明し、活発な議論に期待を寄せた。