国土交通省はピュア型CM方式の導入実績調査をまとめた。2年に1回の調査で、2022・23年度の2年間で134件のCM業務が契約された。内訳は建築事業が98件、土木事業は36件。なお、調査開始からのトータルが654件に達している。
調査は23年度末までに受注した公共事業におけるもので、建築事業は日本CM協会、土木事業は建設コンサルタンツ協会に加盟している企業が対象。ピュア型CM方式は、プロジェクトにおいて、コンストラクションマネージャー(CMR)が、技術的な中立性を保ちつつ発注者の側に立って、設計・発注・施工の各段階で、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、コスト管理などの各種のマネジメント業務の全部か一部を行うもの。
建築、土木を合わせ前回調査から増加が目立ったのは東日本で東京28件増、福島19件増、千葉10件増、埼玉6件増、神奈川5件増など。トータル件数は福島139件、東京112件、宮城48件、千葉36件など。
全国の地域別では、北海道・東北、関東、近畿で8割を占める。土木は福島、宮城が大きく、建築は東京や大阪などの都市部で多い。
建築は、関東と近畿で約7割、施設用途は学校、病院等、庁舎等で全体の約6割。発注者は市区町村、政令市、その他の公的機関(学校法人、病院機構等)が全体の約9割で大半を占める。発注自治体の人口規模別では、10万~50万人の中核市での実績が最も多いが、人口10万人以下が約3割、建築職員数で言うと10人以下の団体が約2割となり、発注体制が整っていない自治体での活用がある。
一方、土木は福島、宮城が多い。福島はこの2年で19件増加している。事業区分は災害復旧が全体の5割を占めるが、この2年では10件の増加。新設・維持が21件増加しているため、傾向が新設・維持に移行してきている。だが、自治体のマンパワー不足を補完するため災害発生時に多く活用される傾向がある。発注者の構成は都道府県が約8割を占めている。