埼玉県電業協会(積田優会長)は20日、本年度3回目となる企業対策セミナーを、さいたま市内の埼玉建産連研修センターで開いた。今回のセミナーでは、DXを活用して売上を伸ばす方法や2024年問題に対応する方法を学んだ。
主催者あいさつで積田会長は、講演1部と2部のテーマであるDXについて「経営全般においてDX化を進めていくことが求められている」と重要性を強調した。第3部のテーマである健康経営優良法人認定制度については「会員の中で認定を受けている企業は、まだ数社程度ではないか。認定を受けることでメリットも多いので、全会員が取得して、明るく楽しい職場を目指していきたい」と方向性を示した。
1部は、人的資本経営における中小企業のDX戦略として、コストをかけずにデジタルの力で売上を伸ばす方法。第2部は、2024年問題はDXで解決、労働時間抑制と生産性アップの戦略を、講師はいずれもアカリンク代表社員の相馬正伸氏が務めた。相馬氏は、日本企業のDX導入企業の86%が失敗していると話し、IT化しただけではDXと言えず「DXの第一歩は本質を理解することだ」と強調。そのうえでDXとは「データとデジタルを活用して、継続的にビジネスを変え、競合に勝てる仕組みを作ることだ」と説明。さらに「身近なところから継続的に取り組むこと」と実行を促した。2024年問題についても「大幅に生産性がアップできる。小さな改善の積み重ねが大きな改革へ導く。まずは身近な課題を抽出し、徐々に人からITに仕事をシフトさせていこう」と呼び掛けた。
第3部は、健康経営優良法人認定制度について、アクサ生命保険埼玉支社の斉藤俊英さんが説明した。同制度は優良な健康経営を実践している企業を日本健康会議が認定する制度で、認定を受けることで低金利融資など優遇措置が受けられる。また、健康経営に取り組む企業では離職率が低いなどメリットを示した。