高萩市は、新設する義務教育学校の建設候補地や建設箇所選定のための条件などを示した。候補地は、現高萩小学校用地、安良川やすらぎドーム西側、後谷地区、瀧神社周辺の4カ所。開校時の児童生徒数の見込みにより、小学校16学級、中学校7学級、特別支援学級6学級を予定する。本紙では、上下編に分けて建設候補地のメリットとデメリットを紹介する。上編では、現高萩小学校用地、安良川やすらぎドーム西側を取り上げる。
施設規模は、校舎1万499㎡、屋内運動場2353㎡、グラウンド7940㎡以上で計画を検討する。
新設に際し2025年度は基本設計と実施設計に着手。26年度中に設計をまとめ、同年度中の工事着手を予定する。28年度の供用開始を目指す。
現高萩小学校用地は、敷地面積1万2018㎡、グラウンド1万8586㎡で、敷地全体が埋蔵文化財包蔵地。
メリットとしては、現在の高萩小学校用地を使用するため、用地費の必要がない。周辺に公共施設があり、駐車場を共用することができる。既にある建物を利用(要改修、長寿命化)して使用できる。上下水道のインフラは整備済み。避難所としてマンホールトイレや耐震性貯水槽の整備が進んでいる。
デメリットに関しては、建て替えの場合、現保育教室があるため、補助金に制限がある。建築時に代替施設(校舎・グラウンド)が必要で、進入路の道路改良が必要になる。
安良川やすらぎドーム西側は、3~4万㎡を検討。
メリットは、市街地の近接地であり、周辺の公共施設や商業施設、田畑があるため体験活動などの幅広い教育活動がしやすい。民有地で用地買収が必要となるが、適切な施設配置が可能。建設時に現在の高萩小学校の教育活動の妨げにならない。都市計画道路3・5・9安良川赤浜線が計画されているため、将来アクセス・利便性が良好。
上水道・下水道のインフラは近接する道路に整備済みであり、敷地内への接続が可能。エリアによっては下水道区域外となる可能性がある。
デメリットとしては、大雨想定区域内にあり、民有地のため用地買収費用や造成工事コストがかかることなどが挙げられる。
候補地選定にあたっての条件は、①安全・安心な学校環境の維持(あらゆる災害に対し安全で、地域住民の緊急または指定避難所としての機能を確保する。周辺交通、進入通路)②市の都市計画・立地適正計画との整合性(都市計画、用途地域との整合。立地適正化計画、その他の計画との整合)③機能的かつ経済的な学校施設(学びの環境に適応する合理的、効果的な施設配置ができる敷地配置。他の公共施設との連携、活用の可能性。土地の取得、既存建物取り壊しおよび造成、インフラ整備など、学校施設整備費用以外の費用を極力抑える)─。
新義務教育学校は、高萩中学校区の高萩小学校(安良川1048)、東小学校(有明町1-141)、高萩中学校(高浜町1-77)の3校を施設一体型の学校として統合する。高萩中と東小の統合後の跡地利用については、老朽化の程度や公共施設としてのバランス、防災、まちづくりの観点から、市長部局を含め、学校施設整備基本構想および基本計画と並行して検討する。(下編に続く)