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【自動物流】事業スキームなど/サウンディングで調査

2024/10/03 本社配信

 国土交通省は7月に中間とりまとめを行った自動物流道路について、政府が示した2027年度までの実験実施、30年代半ばまでの第1期区間での運用開始に向け、議論を開始した。3日には検討会を開催し、事業スキーム案、技術開発について議論を開始。民間企業を主体としたSPCによる事業運営モデルを検討するためマーケットサウンディングを行い、業務への提案、追加すべき業務や改善の提案などの意見を求める。

 議論すべき項目として示した事業スキーム案の検討は、フィージビリティスタディによる詳細な自動物流道路の効果と需要分析。一方、技術開発の検討は、インフラ、輸送機器、拠点、システムなどが対象となる。

 議論の進め方はマーケットサウンディングと結果のとりまとめ、検討会でのヒアリングを複数回実施し進める。最初は事業スキーム、次は技術開発で行う考えで最低でも2回行う。最終とりまとめは、必要となる制度設計、社会実験の実施方針などを示す。時期については、サウンディングの参加者数や検討進捗によるため未定。なるべく早期としている。

 最初のサウンディングは事業スキームについて。事業概要を仮定して行う。仮定ではあるが、今後の成否を占うものでもあり現実的なもの。

 対象区間・経路については▽全体として東京~大阪間、第1期区間として先行ルートを含む大都市近郊の特に渋滞が発生する区間▽既存の道路空間(路肩・法面、中央帯、地下)を活用し、8カ所以上(各県1カ所以上)の拠点を設置―。搬送手法・貨物規格は▽時速30km/hによる無人化・自動化された輸送(走行、車線変更、荷役、バッファリング機能)▽貨物のサイズは11型パレットの規格で全高1800mmまでとし、重量は1tまで▽その他、クリーンエネルギーの活用を考慮―とするもの。

 サウンディングの対象は、事業(一部のみ含む)の実施主体となることに関心を示す法人または法人グループなど。項目は、自動物流道路への関心・関心のある業務や、業務への提案、追加すべき業務や改善の提案。さらに、自動物流道路の空間の利活用、その他に関する提案などとした。ここで言う業務はSPCが行う建設・製造、運営、維持管理などのこと。


ちょこっと補足

 今回のサウンディングは、これから11月までの間に説明会の開催、サウンディングの申し込み、意見提出までを行う。実際のサウンディングは12月以降となるようす。結果の公表、必要に応じて検討会でのヒアリングへ進む。1検討会で最大3者からのヒアリングが想定され対象者が多ければ、検討会の回数も増える。さらに、技術開発についても同じように行う。今のところこの2つについて実施する想定だが、必要に応じて増やすことも考えられる。そうなると、最終とりまとめの時期は、かなり流動的だ。

最終とりまとめへ議論開始 スキームのイメージ

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