県真岡土木事務所は、真岡市横田~寺内地内を結ぶ一般県道物井寺内線のバイパス計画で、真岡鐵道と並走する国道294号旧道をオーバーパスによる立体化に決めた。今後は鉄道と道路の横断部をボックスカルバート、高架構造で一気に超える橋梁形式など副道の配置やオーバーパスする道路へのランプによる接続の必要性などを検討。年内を目途に構造形式を固める。バイパスは狭あいな現道北側に1700mを計画。実施中の道路概略設計を踏まえ、1級河川五行川渡河部や真岡鐵道横断部の構造を検討。法線を固め年明けの平面図化と路線測量、年度末には道路詳細設計を発注する見通し。
バイパスは西を294号と408号真岡南バイパスとの交差点、東は現道タッチの1700m。このうち五行川左岸から現道タッチまで900mは北関東自動車道の整備に併せ、五行川東県営圃場整備事業を導入。道路用地を確保した。
バイパス区間は概略設計とともに事業化に向け法線に沿って公図公簿調査を実施。用地測量や物件調査に備えていく。道路概略設計は富貴沢建設コンサルタンツ、公図公簿調査を中央測工が担当。
五行川右岸には真岡鐵道横断部や大和田富士山古墳が立地。大和田富士山古墳は5世紀末に築かれた前方後円墳で、文化財保護の観点から支障のないルートを選定する。
バイパス部の幅員は14・5mを想定。幅員構成が車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m×2。歩道は両側に2・5m確保する。
物井寺内線は294号に408号真岡南バイパスが合流する交差点終点部までのバイパスと、東側は主要地方道つくば真岡線まで現道拡幅区間を合わせ3500m。このうち現道拡幅区間1800mが10~14年度に県単の安全な道づくり事業を充当し整備を完了している。
バイパスの一部区間は物部小学校の通学路に指定。児童らの歩行空間を確保するため23年度には片側2m部分の歩道舗装を実施。車道交差部8mを防草シートで保護し、一般部は砕石で道路用地が分かるよう視認性を高めた。
現道が五行川を渡河する高畦橋は1969年度に架設。橋長50・7mで幅員が車道のみ6m。上部工は中央の2径間がRCT桁。その後、五行川の改修に併せ両側に1径間分、鋼鈑桁を継ぎ足した。
高畦橋は15年度に延命化を図る橋梁補修工事を実施。高畦橋を含む左岸の約50mが17年度、重要水防箇所に指定。流況の変化に応じた縦横断測量を経て根固め工に着手している。
バイパス整備に当たっては新橋架設に伴う高畦橋の今後の在り方も検討していく。バイパス終点部で合流する408号真岡南バイパスは25年度に主要地方道真岡上三川線立体化とともに全線4車線化で供用が見込まれ、294号二宮拡幅も4車線整備を実施中。市南部の道路ネットワークの強化が進められている。