日光市は、足尾銅山観光テナント施設新設工事(足尾町通洞)の発注手続きを11月をめどに開始する。入札方法は条件付き一般競争で12月に着工する予定。2024年度当初予算に継続費1億800万円を計上。25年9月頃の完成を目指している。銅山観光整備事業の一環。25年度は8~10月にレストハウス解体工事や銅ふれあい館改修工事を発注。26年度には早期にエレベーター設置工事を発注する計画。総事業費は概算3億3000万円を試算している。
テナント施設は、足尾市民センター北側の屋外トイレと土産物販売店の複合施設として整備する。規模は木造2階建て延べ床約200平方m。1階(約100平方m)はトイレ、2階(同)はテナント。
建設地の屋外トイレは解体工事が完了。テナントとトイレの浄化槽は共用とし、現在の浄化槽は施設新設工事と併せて更新される見通し。設計は佐々木設計企画で10月末までに完了する予定。テナント施設の整備事業費は24年度3780万円、25年度7020万円。
25年度に予定するレストハウス(RC造1143平方m)の解体は早ければ8月に発注。3月までに撤去し、跡地は26年度のエレベーター設置工事の資材置き場やクレーン用地として活用する考え。眺望に優れるため、エレベーター設置完了後は樹木や草花を植栽し園地として整備する予定。
銅ふれあい館は、市民センター2階にある足尾歴史文化交流館を移設する。改修では多目的ホールと研修室の間仕切りを撤去し、入坑者が見学できる動線とする。工事は9~10月に発注し3月までに完了させる計画。
エレベーターは26年5月ごろに工事を発注し、年度内に設置を完了させる予定。現在の見学経路には階段が70段程度あるため、高齢者などの利用に対応し、バリアフリー化。デザインは足尾銅山坑道内で使用していた立坑ケージを検討する。
このほか26年度には敷地内や国道沿いの誘導案内看板などのサイン設置と改修工事の発注を8月頃に計画している。
概算事業費の内訳は測量設計調査委託料2700万円、工事費2億8900万円、監理委託料1400万円。年度別内訳は23年度674万円(アスベスト調査、解体設計)、24年度6476万円、25年度1億4750万円、26年度1億1100万円。
施設は1980年に足尾銅山閉山後の地域振興事業として開設。トロッコ列車で入坑し、銅鉱が発見された江戸時代から73年に閉山するまでの約400年間の採掘の変遷や坑内を見学できる。老朽化が進んでおり、施設の魅力と利便性の向上のため再整備する。