県資源循環推進課は11日、日立市諏訪町の新産業廃棄物最終処分場について、地元4学区(諏訪、大久保、成沢、油縄子)を対象とした現場見学会を開催した。処分場では造成工事が進んでおり、年度内にも管理棟・展開検査場の設計が発注となる見込み。アクセス道路は工事用進入路に着手しており、間もなく第1号橋梁と第2号橋梁の下部工を公告するほか、12月末までに箱型函渠設置工事、年明けに第1トンネル工事を公告する。
はじめに県資源循環推進課の廣瀨史明課長が「処分場は5月に着工し、順調に進んでいる。今日は9月25日に日立市議会の特別委員会で報告した内容を説明し、現場を視察する」とあいさつ。
県環境保全事業団の菊池睦弥常務理事は「今後とも工事の安全を第一に、地元の皆さまとの連絡を密にしながら進める」と話した。
処分場の工事の進捗については、同事業団の石川耕二整備課長が説明。施工者は株木・オカベ・秋山・鈴縫・共和特定JV(代表構成員=株木建設)で、現在は埋め立て地の敷地造成のための盛土工や、防災調整池設置に向けた掘削工を進めている。年末からは浸出水調整槽の躯体工事に入る予定。
年度内にも管理棟(平屋、約500㎡)・展開検査場・軽量棟の設計を発注し、来年度にかけて策定。そのほか環境学習施設(約1000㎡)も新設予定だが、スケジュールは未定。全体として2026年度末の供用開始を目指している。
新設の搬入道路については、県高萩工事事務所道路整備第三課の佐田朋義課長が説明。延長約4km、幅員9m(車道3m×2、片側歩道2m、路肩0・5m×2)で、山側道路(日立市大久保町)と県道日立常陸太田線(同市諏訪町)を結ぶ。5月から工事用進入路に着工。7月には第2トンネル本体工事(L1566m)の入札を執行し、安藤ハザマ・菅原・中井JVが落札。
第1トンネル(L95m)は、県道路建設課から1月にも公告となる。また、市道交差部のボックスカルバート設置工事が年内に公告予定。県高萩工事事務所からは、近く(仮称)第1号橋梁(大久保町)と(仮称)第2号橋梁(末広町)の下部工が公告となる。
参加した住民からは「工事をチェックする体制をしっかりと整えてほしい」「安全、工期、費用、どれも大事だが、安全を最優先してほしい」「今後も現場説明会を開催してほしい」といった声が上がった。