記事

事業者
(一社)長野市建設業協会

積極活用求める/週休2日や情報共有システム/市と土木技術懇談会

2024/10/26 長野建設新聞

 長野市建設業協会(川浦俊樹会長)は23日、長野市と2024年度土木技術懇談会を開催した。週休2日や情報共有システムの積極的な活用など、入札・契約や検査、設計・積算、現場管理と多岐にわたり要望を伝え、意見を交換。認識を共有した。資材の二次運搬費の計上については、市から現場状況に応じて柔軟に対応するとの回答を得た。

 会合には協会から小山田雄治副会長をはじめ理事や土木委員など40人余りが参加。市からは松本智建設部次長兼道路課長のほか、財政、農林、建設、都市整備、会計、上下水道各部局の代表者17人が出席した。

 冒頭、小山田副会長は「昨年以降、週休2日工事や情報共有システム、除雪業務における最低保証制度の導入、単価公表の拡大など、数多くの要望が実現された。しかし、働き方改革や担い手確保など課題は山積している。本日も多くの質問・要望を提出するが、市からも業界への要望をいただき、対等な立場で、市民にとってより良い社会をつくっていきたい」とあいさつ。

 松本次長兼道路課長は「冷え込んだ地域経済を回復するため、国土強靱化をはじめとしたインフラ対策、公共事業の役割がますます大きくなっている。安定的な予算の確保が重要であり、国へも要望している。また、働き方改革を進めるため、週休2日工事や情報共有システムを積極的に活用していきたい。きょうは多くの議題項目をいただいている。すぐに回答が出るものではないが、できるところから改善を図っていく。今後も協会が抱える問題に向き合っていくので、理解と協力をお願いしたい」と応じた。

 議事は協会が取りまとめた意見・要望に対し、市が回答する形で進められた。入札・契約の議論では、現在非公表としている最低制限価格の算定方法の公表を求めるとともに、開札後に公表している特別単価や見積採用単価を事前に公表するよう要望。これに対し市は「最低制限価格の算定方法を公表した場合、類推しやすくなり、本来利益を勘案すべきところ、その価格に誘導してしまうおそれがある。くじ引きの増加も懸念される」「単価については今年4月より、公表用積算内訳書でそれまで開示していなかった部分の公表を始めたところであり様子を見たい」とし、現行の運用に理解を求めた。

 また、週休2日工事の取り組みについては協会が「発注者指定型を基本に行うとのことだが、対象外の工事もある。発注者指定型以外であっても、施工者から希望があれば対応してほしい」と要望した。

 検査に関する議論では「少額工事や測定数が少ない工事など、成績評定の点数が付きにくい案件もある。こうした工事では成績評定を行うか否かを選択できるようようにしてほしい」「工事書類のうち提示でよい書類について、有無の確認漏れにより評価されない事態を回避するため、プロセスチェックリストを互いに確認できるようにしてほしい」といった要望が出た。

 また、創意工夫の評価について「どのように評価されたのかを教えてほしい。それにより次に生かすことができる」と提起。市は「書面により、評定内容の説明を請求することができる。また、施工中に生じた課題に対し、創意・工夫での評価を見込み取り組みを行う場合は、事前に監督職員に相談してほしい。そうすることで評価についての認識のそごは防げるのではないか」と答えた。

 設計・積算に関しては「上下水道工事などは住宅街での工事や夜間施工も多く、近隣への配慮から資材基地を郊外に設営するケースがある。この場合の二次運搬費を当初設計または変更協議の対象にしてほしい」と要望し、市は「個々の現場の事情に合わせて柔軟に対応する」と応じた。

 現場管理の議論では、今年4月に導入した情報共有システムについて「システムを活用した協議を要望しても、紙ベースでの対応を求められることがある。活用を推進するとともに、電子納品についても早急に導入してほしい」と要望。市は「あらためて庁内で周知を図り積極的な利用に努める」とした。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら