総務省が8~9月に実施した水道事業の防災対策の状況等に関する調査で、耐震対策など取り組みが遅れているとの回答が57%に達していることが分かった。その理由の一番は財源不足とし、次いで職員数の不足を挙げている。その一方で、管路および基幹構造物の耐震化事業について地方財政措置を活用していないとの回答が89%となっており、その理由の多数は「対象となる更新事業がない」だった。
調査の対象は、上水道事業(末端給水事業および用水供給事業)の1296事業。回答があったのは末端給水事業1229事業と用水供給事業66事業。
水道施設の耐震化の取組状況の認識は、遅れているが過半数となったほか、ある程度進んでいるが39%、まったく進んでいない3%。十分進んでいるは1%にすぎず、99%が十分な取り組みになっていないと認識している。
遅れている、まったく進んでいない理由は、複数回答だが財源不足を643事業、職員不足は572事業が選んでいる。次いで工事費が高騰している379事業、他の工事を優先している238事業が回答している。
地方財政措置は、9割近くが活用していない。その理由は、管路耐震化の場合、対象となる管種の更新事業がない337事業、一般会計の財政状況が厳しい323事業の2理由が突出した。対象となる管種の更新事業はあるが人材不足等により事業量を増やせず上積み事業費を計上できないが240事業で回答している。
基幹構造物の場合も、対象となる構造物の更新事業(耐用年数経過施設を含む)がない520事業、一般会計の財政状況が厳しい328事業が多い回答。対象となる構造物の更新事業はあるが、耐用年数を経過しているから147事業と続いている。