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茨城県ひたちなか市

公園と一体的に/新図書館を建設/整備計画 シビックリングも

2024/10/29 日本工業経済新聞(茨城版)

 新中央図書館の整備計画を進めるひたちなか市は26日、那珂湊コミセン展示室と中央図書館視聴覚室にて新中央図書館の概要を説明した。公園との一体的な整備や各活動に集中できる環境と自由に使える共用スペースを設ける。さらに、まち・本・人をつなぐため中央の書架をリング状に囲む「シビックリング」も設け、まちの魅力を深く知ることができる図書館の整備を計画している。

 新中央図書館の整備は、「つながる中心市街地まちづくり計画」と連携し、まちの回遊性を高める施設づくりを行う。公園との一体的な整備を生かし、多方向からの人々の流れを引き込み、まちのにぎわいを創出する。整備の方向性としては、①公園内の豊かな緑に囲まれた、恵まれた環境・景観を生かした魅力的な図書館②図書館利用が少ない世代および市の施策に掲げる世代なども利用しやすい図書館③シビックプライドの醸成に貢献する図書館および図書館整備─に分けて示した。

 ①では、内部から緑が望める環境をつくり、公園と一体となった図書館の魅力を高める。また、読書環境に適した柔らかな間接光や新鮮な空気、美しい緑の景観を取り入れ、快適な屋内環境を形成する。公園からアクセスしやすいアプローチなど、図書館と公園の連続性を高め、屋外との一体的な利用を促し、公園の恵まれた環境を生かす。

 ②においては、独立性の高い活動エリアと自由に使える共用スペースの整備について検討。独立性の高い活動エリアは、施設内の機能を複数の活動エリアとして配置し、エリア間の相互利用を考慮しつつ、各エリアの独立性を高めることで、にぎやかに遊びたい子どもや、静かに本を読みたい大人などが共存して利用しやすい環境づくりを行う。

 自由に使える共用スペースでは、各活動エリアの間に、テラスと一体となった共用スペースを設ける。子どもを見守りながら雑談したり、散歩の途中にふらっと立ち寄り雑誌を読める環境を整備するなど、普段、図書館を利用しない人も気軽に利用しやすいおおらかな共用スペースを設ける。 ③に関しては、まちの魅力を発信、新たな本との出会いや人と人をつなげるよう整備をしていく。シビックリングを中央の書架を囲むようリング状に設け、まちの魅力を展示する回遊空間を整備。展示物と一緒に、まちの魅力をより深く知ることができるさまざまな情報コーナー(関連本や郷土資料等)を設ける想定だ。

 また、シビックリングに面して活動エリアを配置し、お互いの活動が見える計画として、人と人をつないでいく。

 新図書館の建設予定地は、東石川第4公園グラウンド敷地内にある閉鎖した石川町プールの解体跡地。

 規模は、延べ床面積約4500㎡、地上2階建てとし、収蔵冊数が40~50万冊を想定する。計画敷地面積は約9000㎡。

 新中央図書館設計業務委託に係る公募型プロポーザルで山下設計(東京都)を最優秀提案者に選定した。2024年度に基本設計をまとめ、25年度には実施設計に着手。26~27年度の2カ年で施工し、28年度中の供用開始を目指している。新施設は、現施設の約2・4倍規模で整備する。工事費は約40億円(税込み)を試算する。

新図書館建設予定地の東石川第4公園グラウンド

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