県河川課は28日、8月18~19日と24~26日の豪雨による公共土木施設の災害査定結果をまとめ、66カ所で23億2035万4000円となった。内訳は県管理が64カ所22億8396万5000円、市町管理は矢板市と塩谷町の道路2カ所で3638万9000円となった。見下げ法面が崩落した佐野市長坂町の一般県道柏倉葛生線は近くブロック積み擁壁工事を安足土木事務所が発注。河川と砂防工事は渇水期施工を視野に、年内にも各土木事務所から工事を発注する見通し。(2面に災害査定箇所)
被害は県中央部から北西部に集中しており、土木事務所で最も被害箇所が多かったのが矢板土木の23カ所。次いで鹿沼土木が22カ所、日光土木12カ所、宇都宮土木3カ所などとなった。
県管理施設のうち最も被害額が大きいのが河川の50カ所17億6659万7000円。宇都宮市石那田地内の1級河川田川右岸でブロック積み護岸が崩落し流失。鹿沼市佐目町地内の大芦川は思川合流部付近で140mにわたり被災した。
砂防は7カ所で3億2013万3000円。塩谷町田所地内の荒川では192mにわたり護岸が崩壊。鹿沼市大久保地内の上山沢はブロック積み護岸が崩壊。ブロックが積まれた上部の土羽部分がえぐられ流された。
道路は6カ所で1億8094万円。柏倉葛生線は見下げ法面の2カ所について大型ブロック積みの擁壁により復旧工事を実施。西側の被災が深刻で延長が32m。大型ブロックは法高7~11m、面積約300平方mを施工する計画。
橋梁は日光市千本木地内の主要地方道宇都宮今市線が行川を渡河する行川橋。査定額は1629万5000円。豪雨により洗堀され、コンクリートブロック積みによる護岸工や根固工で復旧する。舗装復旧工は7平方m、仮設道路の延長が23m。
市町管理施設は2カ所の道路に3638万9000円。復旧延長は矢板市道片岡・高塩1号線が22m。塩谷町道大宮佐貫線は54・7m。
道路は応急復旧工事に着手。河川と砂防は災害査定を踏まえ、本復旧工事を発注する。
豪雨は日本に接近した台風10号の影響で線状降水帯が発生。本県の中央部から北西部にかけて記録的な雨量を観測。宇都宮地方気象台の発表によると、塩谷で81㎜、宇都宮で74㎜、鹿沼が56・5㎜となった。