県都市整備課は、9月補正予算の県単公共事業関連調査費4000万円を配分。宇都宮市の都市計画道路3・2・102号桜通り平出線(主要地方道宇都宮那須烏山線、通称・競輪場通り)が1級河川田川を渡河する大曽橋の予備設計など構造物調査に充当する。発注見通しでは橋梁予備設計と地質調査が各2件、電線共同溝予備設計1件を追加。桜通り平出線は約2㎞を幅員30mに拡幅し4車線化。3環状のうち内環状の北側を構成する桜通り平出線の早期の事業化に向け、縦横断や拡幅による道路の影響範囲を確定していく。
事業予定区間は大曽2丁目の主要地方道藤原宇都宮線交差点から今泉新町交差点まで。渋滞緩和を目的に現道幅員13・8mの2車線を30mの4車線に拡幅する。
拡幅による影響範囲を調査する路線測量を東西約1㎞に分け実施。西を東亜サーベイ、東側はニッコーが担当。道路予備設計は富貴沢建設コンサルタンツが担当している。
主要構造物は西側から1級河川田川を渡河する大曽橋。大曽橋は上下流側に歩行者専用の側道橋を架設。車道橋の架設は1970年度。橋長が30m、幅員9・1mで上部形式が3径間PC―T桁。
側道橋のうち上流側歩道は車両通行量の増加を踏まえ74年度に架設された。橋長30m、幅員1・5mの3径間鋼桁。その後、下流側歩道を79年度に架設。橋長30m、幅員1・5mの3径間鋼桁。
大曽橋東側の県河内庁舎と市水上公園前に旧田川の新陽橋。
2㎞区間の中央部付近で東北新幹線高架橋下を通り、氏家宇都宮線の竹林町交差点西側で1級河川御用川の御用橋が所在する。拡幅に伴い新幹線跨線橋の橋脚2基が30mの幅員内に位置し、路肩部分で調整する見通し。
竹林町交差点から今泉新町交差点間はJR宇都宮線をオーバーパスする錦橋。跨線橋区間では1級河川石川を渡河する石川橋が所在する。
錦橋跨線橋は57年の架設で老朽化。軌道上の橋長が12・6m(有効幅員12・05m)で60度の斜橋。上部形式は単純PC床版桁。下部工が逆T式橋台2基。
跨線橋アプローチ部には歩道が設置されておらず、側道部分から両側に階段を併設し高架部のみ歩道を設置。アプローチ部の路肩は自転車通行帯の路面標示で視認性を高めているものの、狭く勾配があり、危険性が指摘されている。錦橋は経年劣化による老朽化ではく離やひび割れが見られ、20年に修繕工事を実施した。
2㎞区間の競輪場通りは、第1次・第2次緊急輸送道路に指定。沿道の県宇都宮土木事務所や済生会宇都宮病院など4車線化により災害時における防災拠点へのアクセス強化を図る。
沿道周辺には小中学校や高校があり、歩行者・自転車の通行量も多い。30mの両側には歩道5mと路肩兼自転車通行帯2mを配置。電線類地中化を実施し自動車と歩行者、自転車の通行を区分して安全を確保する。
競輪場通りは宇都宮市の3環状のうち内環状の一部を構成。00年度に県と市が「市道路網の整備および管理の基本方針に関する確認書」を取り交わし、2㎞区間を県道に指定。県が整備と管理を担当することを決めた。