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茨城県石岡市

石岡市複合施設/市長「駅西を検討」/基本計画で確定へ 審議会は鹿鉄跡答申

2024/10/31 日本工業経済新聞(茨城版)

 石岡市が計画中の複合文化施設について、谷島洋司市長は「着実に施設整備を進めることが重要」として、市議会で反対意見が出ている駅東地区への建設にこだわらない考えを示した。施設整備審議会による最終答申では、駅東の鹿島鉄道跡地を建設地に推薦。谷島市長は答申を計画に最大限に取り入れるとしつつも、議会の意見を尊重し、駅西側のイベント広場への建設について再検討する方針だ。

 建設地については、2023年策定の基本構想において、駅東側の鹿島鉄道跡地(約7700㎡)、市営駅東駐車場(約6900㎡)および駅西側のいしおかイベント広場(約2万7500㎡)を候補地として提示。審議会による最終答申では、利用者アクセスなどの観点から、鹿島鉄道跡地に施設本体を建設すべきとした。

 一方で、9月市議会定例会において「複合文化施設を駅東地区へ建設する計画に反対する決議」が賛成多数で可決となった。議会からは、駅東地区への建設における懸念事項として地盤液状化対策などが挙がっている。谷島市長は28日の審議会答申終了後、イベント広場を建設地として再検討する意向を示した。

 今後は、12月市議会定例会の前に予定している特別委員会において方針を説明。議会の理解を得て、基本計画の中で建設地を確定する見込み。基本計画に関しては、横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)が年度内を履行期間として策定業務を受託している。

 本事業は、ホール機能を中心とした文化芸術活動の拠点を新設するもの。駅東地区へ新設の場合、規模が5825㎡、総事業費は約74億円と試算。公設の設計施工分離発注方式で施設を整備する方針だ。管理運営方式に関しては、指定管理者制度の導入を目指す。

 最終答申においては、施設機能として▽メインホール(可動式座席、600~800人規模)▽サブホール(平土間形式、150~200人規模)▽アトリエ・工作室▽音楽スタジオ▽和室▽図書スペース▽会議室▽学習スペース▽調理室▽屋内キッズスペース▽民間テナントスペース-を盛り込んだ。

 なお、イベント広場について、市では図書館を核とした複合施設としての利活用に向けた動きを進めている。事業着手の判断に向け、今月にはサウンディング型市場調査を実施した。複合文化施設の建設地がイベント広場となった場合、図書館等の整備については計画の見直しが必要となる見込み。

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