2024年問題は物流業界のあり方を変えてきている。これまでのようなトラックによる長距離輸送が難しくなっていることなど、さまざまな課題に対応するため物流拠点の今後のあり方に関する検討が始まった。30日に1回目の会合を開き論点を提示。キーワードは▽中継輸送拠点▽基幹物流拠点▽自治体との関係▽営業倉庫の役割―の4つで、求められる機能や建設・運営、課題などをテーマに意見を出し合った。年度末までにあと3回開催し、報告書案をまとめる。
働き方改革で国内貨物輸送の5割を占める自動車による一度の輸送距離が短くなっており、中小トラック会社も含めて「中継輸送」の社会的ニーズが一層高まっており、一定の公共性を前提とする必要がある。ニーズの対応へ▽積み荷の保管▽積み替え▽ドライバーの交代―などを行うための物流拠点に対し需要が増大、さらに地理的分散化が必要になっている。そこで、建設・運営のあり方や備えるべき機能、また地方部への拡大にあたっての課題を論点とした。
トラックドライバー不足に対応するため三大都市圏や各地方都市圏を結節する幹線に、ダブル連結トラックや自動運転トラックなどの輸送が今後急速に進展するため、幹線輸送と地域配送を円滑につなぐ一定の公共性を前提とした「基幹物流拠点」の整備運営が必要になってくる。どのような主体が建設・運営し、どのような機能が必要なのか、課題は何かといったことが論点になる。
一方、中継輸送拠点、基幹物流拠点に対して立地する地域の側からは、地域の活性化やまちづくり、災害時の連携などを求める動きがある。そこで、自治体が物流拠点に対して求める機能や役割、受入れにあたっての課題を探る。
物流拠点のほか営業倉庫も重要な役割を果たしているものの、老朽化がある一方で建て替えは進んでいない。建て替えるには、他の営業倉庫業者や不動産事業者、金融事業者など複数の事業者が連携して建て替えや再構築する事例が増加する見込み。そこで営業用倉庫が今後果たすべき役割、複数事業者による再構築を進める上での課題を論点とした。
委員からは、物流施設の現状、DX化が進んでいない面があることなどの説明があったほか、検討するためのデータが不足しているなどの指摘があった。