神之池緑地のにぎわい形成を図る神栖市は、桜を主とした樹木再配置計画を策定した。緑地を9ゾーンに分割し、樹木の維持・更新方針を提示。基盤整備では、新たに盛土などによる土壌改良に取り組む。休憩施設などの整備に関する方針も盛り込んだ。今後は、市役所分庁舎裏において優先的に改修を実施。2026年ごろからは、体育館などの再整備に合わせた緑化修景を推し進める考え。
各ゾーンの基本方針が▽A:分庁舎裏=桜の名所づくりの推進▽B:市民体育館周辺=公共施設の緑化による緑地環境向上▽C:大型遊具広場周辺=にぎわいづくりの中心地としての魅力向上▽D:グラウンドゴルフ場周辺=水辺を生かした緑地整備▽E:池東端=桜並木の育成・再生▽F:パターゴルフ場周辺=緑地環境保全▽G:ふれあい橋先=四季を彩る多様な植栽環境の整備▽H:野球場周辺=対岸のにぎわい・交流拠点の形成▽I:池西端=多様な樹木による園路沿い景観の改善-。
樹木配置では、不良木の撤去・更新や良好木の保全、防風植樹、適切な樹間の確保、花壇や芝生の整備、四季を感じる樹木の植栽などを、各ゾーンの状況に応じて実施していく。
土質や排水の不備といった土壌不良が生じていることから、基盤整備にも着手する。エアースコップやスポット的盛土、植穴改良による土壌改良が主な内容。防風や根元保全を目的に、シンボルとなる桜の周りに堤整備も行う。施設整備としては、ベンチや四阿などの休憩施設を配置・改善する。ジョギング・ウオーキングコースの保全や園路整備にも取り組む。
整備スケジュールとしては、Aゾーンについて、24~28年度をめどに、土壌改良や不良木の植え替え、桜の根元への堤整備などを行っていく。Bゾーンは関連計画である「神之池緑地整備基本計画」で掲げる体育館などの再整備に合わせ、26年度ごろから緑化修景、バーベキュー広場のリニューアル検討などを進める想定だ。
また、E~Hゾーンに関しては、25年12月までの工期で送電線鉄塔の移設が進む。跡地については経過観察を踏まえ、利活用方針を検討する。その他のゾーンについても、計画期間(24~33年度)の中で、中・長期的に植栽整備などを実施していく方針。
神之池緑地(溝口4991)は緑地面積73haを有し、9900本の樹木のうち桜は約1900本となる。敷地内には市民体育館や中央公民館・文化センター、陸上競技場、庭球場、野球場などが立地している。