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栃木県宇都宮土木事務所

宇都宮土木、競輪場通り 道路構造固め幅員再検討、錦橋、大曽橋が予備設計

2024/11/19 栃木建設新聞

 県宇都宮土木事務所は、都市計画道路3・2・102号桜通り平出線(主要地方道宇都宮那須烏山線、通称・競輪場通り)約2㎞の測量設計に着手。歩道下の電線共同溝をはじめ、JR東日本との協議調整に向けJR東北本線跨線橋の錦橋や1級河川田川を渡河する大曽橋の予備設計を委託。道路構造を固め4車線拡幅による幅員や幅員構成などを再検討する。

 事業予定区間は大曽2丁目の主要地方道藤原宇都宮線交差点から今泉新町交差点まで。渋滞緩和を目的に現道13・8mの2車線を4車線に拡幅。都市計画決定幅員は30m。

 拡幅による影響範囲を固める路線測量を東西約1㎞に分け委託。西側を東亜サーベイ、東はニッコーが担当。道路予備設計と電線共同溝予備設計は富貴沢建設コンサルタンツに委託した。

 JR東北本線をオーバーパスする錦橋は1957年の架設で老朽化。架け替えに向け予備設計で構造や高さなど最適な手法を導く。

 跨線橋の錦橋は橋長が12・6m(有効幅員12・05m)。下部工が逆T式橋台2基、上部工は単純PC床版桁。軌道に対し60度の斜橋。

 橋梁予備設計はダイミック、地質調査を芙蓉地質に委託。予備設計では両側の側道スペースを活用した拡幅により渋滞緩和の効果を探る。

 跨線橋アプローチ部には歩道が設置されておらず、側道部分から階段を併設。高架部のみ歩道が設置されているほか、アプローチ部の路肩は自転車通行帯の路面標示があるものの、狭く勾配があり危険性を指摘。経年劣化による老朽化で、はく離やひび割れが見られ20年度修繕工事を実施した。

 大曽橋は上下流側に歩行者専用の側道橋を架設。車道橋は70年度に架設され、橋長が30m、幅員9・1mで上部形式が3径間RCT桁。

 側道橋は車両通行量の増加を踏まえ、上流側歩道が74年度、下流側は79年度に架設。両側道橋とも橋長30m、幅員1・5mの3径間鋼桁。橋梁予備設計は富貴沢建設コンサルタンツ、地質調査を福原地質基礎に委託した。

 事業目的は交差点を中心に朝夕の通勤時間帯に発生する渋滞緩和。第1次・第2次緊急輸送道路に指定され、災害時など防災拠点へのアクセス強化を図る。

 主要渋滞箇所は大曽2丁目、竹林町、今泉新町の各交差点と東北新幹線と立体交差する陽北中学校北口バス停付近。錦橋は竹林町と今泉新町交差点間でJR東北本線をオーバーパス。大曽橋は大曽2丁目交差点東側に近接する。

 競輪場通りは宇都宮市の3環状のうち内環状の一部を構成。2000年度に県と市が「市道路網の整備および管理の方針に関する確認書」を取り交わし、約2㎞区間を県道に指定。県が整備と管理を担当することに決めた。

 01年度には都市計画を変更し、4車線化の拡幅整備を位置づけた。都市計画決定における幅員構成は車道3・25m×4車線の中央に3mの中央分離帯。交差点は付加車線として活用。歩道は両側に5mを確保し電線類地中化を実施する。車道と歩道の間は路肩兼自転車専用通行帯2mを配置。

 主要構造物では西側から1級河川田川を渡河する大曽橋。県河内庁舎と市水上公園前に旧田川の新陽橋。

 2㎞区間の中央部付近で東北新幹線高架橋下を通り、氏家宇都宮線の竹林町交差点西側で1級河川御用川の御用橋が所在。新幹線跨線橋の橋脚2基が30mの幅員内に位置し、路肩部分で調整する計画。

 竹林町交差点から今泉新町交差点間はJR東北本線をオーバーパスする錦橋。跨線橋区間では1級河川石川を渡河する石川橋が所在する。

 跨線橋部の幅員は両側の側道6m×2を含め36m。幅員構成が車道3・25m×4車線に中央分離帯1m。車道両側の路肩は0・5mで歩道を両側に4m確保する計画。

 沿道には災害拠点病院の済生会宇都宮病院、宇都宮市保健所に加え、県災害対策支部の県庁河内庁舎・宇都宮土木事務所など防災拠点施設が集中。災害時に緊急車両の通行を確保するとともに、電柱倒壊など2次被害を回避するため拡幅整備と併せ、電線類地中化の整備を決めた。

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