熊谷市は、県内最大規模となる新熊谷学校給食センターの整備事業について、PFI導入に向けた実施方針を公表した。事業者の選定方法は、公募型プロポーザル方式とすることを明記。事業用地での具体的な工区の分類を示し、今後の事業スケジュールなども明らかにした。
事業では、市が所有する土地に事業者自身が施設を設計・建設し、完成後に市に施設などの所有権を移転。その後、維持管理・運営業務などを実施するBTO方式を採用する。
公募型プロポーザル方式での選定に向けて、同市は、事業者の提案を専門的で、客観的な視点で検討するため、「新熊谷学校給食センター整備事業審査会」を設置した。NPO法人「日本PFI・PPP協会」会長兼理事長の植田和男氏が審査会の会長を務めるほか、学識経験者や市幹部4人が委員として名を連ねる。
事業者選定は、参加資格の確認と提案審査の2段階にわけて実施。同審査会を選定委員会として機能させ、事業者からの提案内容を総合的に評価した上で、最優秀提案者を決定。市が優先交渉権者を決める。
実施方針では、今後の具体的なスケジュールも示した。事業者との対話を経ながら、2025年4月上旬に募集要項を公表。7月中旬に提案審査書類の受付を始め、8月下旬に提案書について事業者からヒアリングを行う。9月上旬に優先交渉権者を決定し公表する流れ。12月中旬には事業契約を締結することになる。
また、実施方針で、関連する事業用地を分類して明確化した。市が新たに購入した、現熊谷学校給食センター西側の農地を中心とした約9000㎡を第1工区と指定。さらに、現在のセンターが立地する区画を第2工区(約5000㎡)、配送トラックなどが通る市道を挟んだ東側を第3工区(約4000㎡)と分類した。第1と第2工区のエリアに、新たなセンター建屋や関連施設を建設する計画で、現在、車庫や排水処理施設がある第3工区は、新たな学校給食センターの敷地としては利用しない方針で、隣接する同市スポーツ・文化村「くまぴあ」の駐車場などとして活用する案が浮上している。
ただ、「PFI事業の中には、第3工区の設備を取り壊して更地にしていくことまでが含まれている」(教育総務課)という。
新たに提示された事業スケジュールでは、25年12月~28年8月が設計と第1工区での建設期間にあてる。28年7月~29年3月を第2工区での既存施設の撤去や建設期間とし、第3工区での既存施設撤去を、29年4月~同年8月に行うことを計画している。