さいたま市大宮区の大宮第一公園内にある県営大宮双輪場の存廃などの在り方について議論してきた県競輪事業検討委員会(委員長=岩﨑康夫・元副知事)は、大宮双輪場を存続させて、「現在地での再整備が合理的」だとした意見書をまとめ、大筋で合意した。近く県側に提出され、県が最終判断を決定することになる。
さいたま市内で開かれた第12回会合で、事務局側が意見書案を提示。委員らは、一部の修正を経て、大筋で合意した。
県内では、1950年に開設した西武園競輪場(所沢市)とともに県営競輪事業が常時2カ所での開催となっていることが大きな特徴だ。
意見書では「現状の2場体制のメリットを最大限に生かすことが望ましい」などと明記。大宮双輪場が廃止となれば、自転車競技振興に大きな支障が見込まれることなどを配慮したうえで、2場の開催での利点を最大限に生かすことで、高い売上と収益が想定され、「県財政への貢献が期待できる」とした。
また、直近の大規模改修から約30年が経過し老朽しているために必要とされる建て替えについては、現在地で再整備することに支持を示した。ただ、「大宮第二公園も候補になり得る」と付記した。
地元関係者が現在地での継続に理解を示していることや、新たな土地取得費が不要であることなどを考慮した。
さらに、今後の再整備に向け、「民間活用の手法などを詳細に分析し、最適な経費で最大の効果を発揮できるよう努めるべき」などとも提言した。
県によると、検討委での大宮双輪場の存廃を巡る議論は、この会合で最後になるという。
意見書を踏まえて、県は「改めて、建て替えなどのメリットやデメリット、ライフ・サイクル・コストなどを再検討した上で、最終的な決定をしていく」(県営競技事務所)としている。