鹿沼市は、次期産業団地造成事業を計画している。予約分譲段階で全区画(17・8ha)が完売した鹿沼インター産業団地南西側の区域面積20~50ha(深津、上石川)の開発を想定。2024年度内に第1回地元説明会を開催し、地域住民に理解と協力を求める。25年度は説明会を重ね、権利者らと細部を協議。関係者の合意形成が得られ次第、現地立ち入り調査に入る。29年度の造成工事着手を目指す。
産業用地は①東北自動車道鹿沼IC周辺の一団の土地②幹線道路との接道状況③既存の工業団地に隣接④地形地物で区切られる-の4要件を満たす用地を選考。県道路公社が管理するさつきロード(宇都宮鹿沼有料道路)の西側を適地に絞り込んだ。
現況は鹿沼工業団地北側に面し、東側はさつきロード、南側は新設する市道4号線に接する。鹿沼工業団地隣接地の一部に駐車場が整備され、ほかは田畑や樹林地が広がっている。住宅が点在し、さつきロード以外の地区内道路の多くは幅員4m未満。
市街化調整区域で、さつきロード沿線は農業振興地域と農用地区域に指定。林地は森林法に基づき開発の目的や森林面積によって開発後の森林率が規定されている。埋蔵文化財は確認されておらず、土地区画整理事業または全面買収方式での開発を検討する。
恵まれた立地特性を生かし、雇用創出による人口減少の抑制と地域経済の活力維持につながる企業誘致を図る。市内産業団地に空き区画はなく、大規模な企業の立地ニーズに対応できていないのが実情。将来のまちづくり、市の継続的な発展に産業団地は不可欠。
一帯はものづくり企業が集積する鹿沼工業団地、木工のまち鹿沼を象徴する鹿沼木工団地、県内唯一の流通業務団地とちぎ流通センターに近接。鹿沼ICと宇都宮環状道路に約2㎞(約3分)、北関東自動車道壬生ICに約10㎞(約20分)でアクセスできる。
第8次市総合計画(22~31年度)では産業用地の早期確保と企業誘致の継続実施による雇用創出を掲げ、企業の立地ニーズに対応する適地創出を検討と明記。第2期市総合戦略(22~26年度)にも同じ文言を盛り込み、稼ぐ地域の実現を図ると踏み込んだ。
市内で一定程度以上の産業用地面積を確保するには農用地区域を選定せざるを得ず、県内では複数の自治体が農用地での産業団地整備計画を進めている。市は23年度に「新たな産業用地のあり方に関する調査」を栃木都市計画センターに委託し、適地を検討した。