県林政課が魅力ある施設に向けてリニューアルに取り掛かっている那珂市の県植物園と県民の森で、オープン時期が2025年4月から同年11月に延期となる。建築資材価格や設備工事費の高騰により、資材や工法の見直しを行ったことが要因。全体事業費(約30億円)や整備する施設内容に変更はない。
主な見直し内容はまず、コテージ(18棟)に使用する設備で約1億円を削減。空調機などの機械設備について、同性能で低価格で確保可能な仕入れ先に変更したほか、設置位置を見直して配管を削減する。また基礎高を当初計画の1mから0・4mに修正し、生コンクリートの量を減らす。
さらに温浴施設の変電設備やボイラー設備、造作工事などの見直しによって、約1億円減らす。
県植物園(那珂市戸4589、A約13万5000㎡)は老朽化が進み、施設運営費を県が負担し続けることが困難となっていたため、民間アイデアを活用し、「緑に遊び、緑に包まれて眠る、日本初の泊まれる体験型植物園」をコンセプトとして、県民の森(A約75万5000㎡)、森のカルチャーセンター、きのこ博士館とともにリニューアルに取り掛かっている。
基本設計によると、エントランス棟(W造平屋、300㎡)、宿泊施設(コテージ18棟・グランピング27棟)、温浴施設(W造平屋、1127・26㎡)、レストラン(W造平屋、349㎡)、バーベキュー場(W造平屋、676・40㎡)、バニラドームカフェ(熱帯植物館、S造平屋、2693㎡)などを新設する。
ツリーアドベンチャー、ナイトライトアップ、ボタニカルワークショップなどのアクティビティ施設も整備する。
6月20日には実施設計、工事を担う事業者としてボタラシアンリゾート(千葉県市川市)と契約を締結。同社は8社で構成する特別目的会社で、施工は秋山工務店(日立市)、秀建(千葉県千葉市)、浅川建設(那珂市)が担当。実施設計・工事監理は柴建築設計事務所(水戸市)と大山都市建築設計(筑西市)が手掛ける。
現在は解体工事を行っている。間もなく実施設計がまとまり、12月にも建築工事に着手するようだ。