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国土交通省

【ガイドライン案】おそれ情報など示す/公共は契約までに通知

2024/11/18 本社配信


 国土交通省は「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」の改正案を示した。建設業法改正の6カ月施行に合わせたタイミングのため12月となる。ポイントはおそれ情報、誠実協議などで、政省令にあるものを落とし込みより分かりやすく明記。公共工事では、主要資機材、労務のおそれ情報と根拠を入札で落札者決定から契約締結までに落札者が通知。顕在化した場合、契約変更協議があれば発注者はスライド条項で対応することになる。

 請負契約締結までに工期等に影響を及ぼす事象の通知について、発注者から受注予定者へは地盤沈下、土壌汚染や騒音や振動など周辺へ配慮が必要な事項が発生するおそれがある場合は、状況把握の必要情報と合わせて通知する。このほかに影響があるものは任意で通知できる。情報は書面やメールなどで通知し、受発注者双方で保存することが望ましい。

 受注予定者から発注者へのおそれ情報は、請負契約までに通知する。具体例として、主要な資機材の供給の不足、遅延、価格の高騰がある。主要とは、その工事で欠くことができない、工事原価で比重が大きい、施工に大きな影響がある等の観点で判断。二つ目は、特定の検閲工事の種類における労務の供給不足、価格の高騰であって、受発注者双方の責任ではないもの。

 これら事象が顕在化した場合に契約変更協議を受注者が申し出ることができ、発注者は協議に誠実に応じるよう努める。

 おそれ情報を通知するか、情報の範囲などは受注予定者が判断だが、おそれ情報が発生するまでには期間が必要なため、比較的短い工期の工事は想定しにくい。

 発注者側へは、おそれ情報の裏付けとなる根拠情報も通知する。受注予定者が特別に調査するものではなく、通常の事業活動で把握でき、メディア記事、資材業者の記者発表、公的主体・業界団体が作成した客観性がある統計資料などが該当する。情報源も明示する。情報通知は書面かメールなどで、見積書とともに受発注者双方で保存が望ましい。

 これ以外にも工期等に影響を及ぼすものがあれば、契約前に確認することが大事になる。

 契約書面の法定記載事項に関し、請負代金の額変更などは、受発注者が協議して定めるなどの記載が考えられる。契約書に記載しない、記載していても変更しない、変更を認めないといった協議しない前提のものは建設業法違反になる。なお、価格の変動や変更は、価格の高騰や下落を指している。

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