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【女性活躍・定着】新実行計画で骨子案/技術者・技能者割合増加へ

2024/11/20 本社配信


 国土交通省は、新たな建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画の骨子案を明らかにした。目標には「建設業(女性就業者)における女性技術者・技能者の割合を、毎年度増加させる」「女性入職者に対する女性離職者の割合が建設業全体の割合を上回らないようにする」を示した。官民あげて取り組む柱に▽建設産業の魅力発信▽働きやすい現場の実現▽女性活躍・定着促進に向けた取り組みの裾野拡大―の3つを掲げた。

 骨子案策定には有識者ヒアリング、建設産業女性定着支援ネットワークブロック意見交換会、女性定着促進に関する実態等調査(アンケート)の結果を反映。入職、定着に関しての意見が強く、未だ多くの課題を残していることから、2つの目標設定と取り組むべき内容につなげている。

 現場技能者等が一堂に会す朝礼については、意見が多く、育児をしていると朝礼時間に間に合わせるのが難しいという現状がある。そこで取り組み例では、ICT活用も含め現場での朝礼参加の柔軟化を位置付けた。録画しておくことで、現場に到着した段階で見ることができる工夫などが考えられる。

 快適トイレについては、まだまだ足りていないとの声がある。対応として直轄工事での設置原則化は今後も継続する。自治体工事や民間工事の現場での導入へトイレ環境の改善に向けた取り組みの促進を挙げた。

 さらに、現場の更衣室、休憩所、洗面所、シャワー設備など女性技術者・技能者が快適に過ごせるよう配慮した環境整備の促進へマニュアルやガイドラインの作成、利用ルールの作成を掲げている。

 2024年度からスタートし、建設人材育成優良企業表彰で、女性活躍・定着促進部門の優良企業表彰も実施。女性技術者・技能者の表彰などとともにモチベーションにつながる取り組みもある。

 これら取り組むべき内容については、これまでの計画に盛り込まれていた項目が多いが、より強化していく姿勢を打ち出しているかっこうとなっている。

 これまで計画は、2014年度の「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」、19年度の「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画~働き続けられる建設産業を目指して~」を5カ年計画として取り組んできた。新計画は、年度末までに開催する実行計画検討委員会でとりまとめる。

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