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国土交通省,国土交通省北首都国道事務所

【ICT】AR出来形管理を学ぶ/金杉建設施工の圏央道土工部

2024/11/22 本社配信

 国土交通省関東地方整備局北首都国道事務所(後閑浩幸所長)が所管する圏央道4車線化で、金杉建設(埼玉県春日部市)が施工するR5圏央道高須賀地区改良その4工事を対象に、ARによる出来形管理の見学会が開かれた。実際に行われているICTに触れられることもあり、事務所関係者、国交省本省からも駆けつけ、最新技術と取り組む姿勢を学んだ。

 後閑所長は、ICT施工自体は一般化してきているが、ICT施工が終わった後、出来形確認についても、さらに生産性向上へ、本省からの提案もあり、AIによるヒートマップ化に取り組んでもらったと経緯を話し、事務所の若手職員も勉強のために参加していると、見学会への期待を示した。

 見学会は圏央道の上郷第1高架橋A2橋台と同第2高架橋A1橋台間の土工部分が対象。出来形管理については、従来方式もBIM/CIMによる簡略化でのAR方式でも、3次元出来形計測とそこからのヒートマップ作成までは同じ。

 従来方式はヒートマップ帳票の作成、現地臨場立ち合い(現地測定)を行う。AR方式の場合は作成したヒートマップの情報をARシステムに変換。タブレットなどで現地映像と重ね合わせて高い部分などが色で表示されて、確認できる。立ち合いは遠隔臨場も可能となる。

 AR化の導入で位置の確認が容易、仕上り修正施工時に修正箇所の重機オペレータへの伝達が容易、受注者の検査対応人数が少数で実施可能、検査時間の短縮、遠隔臨場により時間制限が少ないといったメリットがある。従来方式のデメリットを解消している。だが、システムの導入コストが発生するのがデメリットとされる。

 発注者側からは遠隔臨場の場合、事前に確認する部分などを調整して紙を用意し、現場側は検尺などを用意して行っている。ARを使うことで面的に確認ができるという非常に画期的な技術だと思う。こういったものが普及してくると遠隔臨場の普及率も上がってくるのではないか、との声があった。

 このほか、金杉建設から現場作業で非常に便利なチルトローテータバックホウの実演が行われた。

現地画像に色付けされたAR出来形管理の画面

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