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千葉県船橋市

工事費乖離など課題/医療C等建替の入札中止/船橋市

2024/11/26 日刊建設タイムズ

 船橋市は、入札を中止した医療センター等建て替え工事について、入札辞退者へのヒアリング内容と、総合建設業者および設備業者へのサウンディング調査の結果をまとめた。主な辞退理由は「工事費の乖離」と「工期不足」。サウンディング調査では「手持ちの工事で手一杯」という企業が多く、2027年度以降であれば参加を検討する企業が増えそうな状況であること、分離発注発注方式を望む声が多いことが分かった。今後は、ヒアリングとサウンディング調査結果を踏まえ、再公告に向けて市長部局と病院局で検討を進める。

 医療センター等建て替え工事の総合評価型一般競争入札については、フジタ・ティーエスケーJVが唯一参加を表明していた。

 辞退理由については、公告から入札書提出までの期間は適正としながら、設備業者が非常に多忙な時期であること、9月時点での積算価格が予定価格に対して約2割5分超過していること、工期に44か月を見込んでいたことから約6か月の不足となったことを主な理由とした。

 サウンディング調査は10月8日から25日にかけて実施。対象企業は、総合建設業者8社、機械設備業者10社、電気設備系業者10社。

 総合建設業者からは、おおむね26年度から27年度までは手持ちの工事で手一杯という企業が多く、それ以前の参加については各社とも消極的だった。当面の受注方針として、特命案件や重要顧客案件を優先する企業が多く、競争案件への参加意欲は低いとし、27年度以降であれば参加検討可能な企業が増えることが見込まれる。発注方式については、分離発注を求める企業が多かった。

 設備業者からは、おおむね27年度から28年度までは手持ち工事で手一杯という企業が多く、特に機械系は30年度まで手一杯という企業が多数あった。当面の受注方針として、特命案件、重要顧客案件、営業中案件、元施工案件、受注確度が高い案件を優先する企業が多く、競争案件への参加意欲は低いことが分かった。発注方式については、分離発注を求める回答が多かった。また、工事規模が大きすぎるため、強電と弱電を分けるなど工事の分割を望む回答が多数寄せられた。

 医療センターは1983年の開設。老朽化や狭あい化が課題となっていることから、2018年度に策定したふなばしメディカルタウン構想と建て替え基本計画に基づき、高根町372ほか(海老川上流地区土地区画整理事業地内)の敷地面積約4・2haを移転先として、建て替えを計画している。

 新施設は、S造一部RC造(免震構造)7階および塔屋2階建て、延べ床面積5万3653㎡の病院棟のほか、救急ステーション、院内保育所、エネルギーセンター棟、医療ガス棟、駐車場棟などで構成。

 27年11月末までに工事を完了し、同年度中に開院する計画。入札においては、9月24日の開札を予定していた。予定価格は525億6000万円だった。

 建て替え工事の基本・実施設計業務は、日建設計が手掛けた。

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