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栃木県佐野市

佐野市、葛生清掃センター基幹改良、2月に入札、概算21.9億円

2024/11/26 栃木建設新聞

 佐野市は、一般廃棄物焼却処理施設「葛生清掃センター」(あくと町3360)の基幹的設備改良工事に乗り出す。補正予算案に工事費を計上し、市議会12月定例会に提出。2025年2月に入札し、市議会3月定例会に工事請負契約締結案件を諮る。工期は25~26年度の2カ年間。概算工事費は21億9600万円を見込んでいる。改修後は10年以上の長寿命化が図られる。

 葛生清掃センターは1994年4月の稼働開始以来、30年が経過。葛生、田沼の両地域で排出される一般ごみ、粗大ごみを処理。敷地2万5700平方m、延べ3380平方m。施工監理は日本環境工学設計事務所、施工は日本鋼管。総事業費は40億円。

 3年に1度の精密機能検査を実施し、優先順位の高い劣化箇所を抽出。経年劣化により機能が低下した焼却炉設備、不燃ごみ破砕設備の定期修繕を重ねてきた。耐用年数が過ぎた機器や耐火物、腐食した配管が多く、対応策を導く庁内検討委員会を設置した。

 施設状況、稼働状況、コスト、安全性を踏まえ、現状では安定的な稼働が望めず市民生活に重大な影響を及ぼす恐れがあると判断。過去には1号炉の故障で2カ月間の稼働停止、灰出しコンベアの2日間停止事故があった。最終的に基幹的設備改良に落ち着いた。

 現行のごみ搬入量の平均は日量30㌧。施工期間中の2年間は通常通り委託業者が葛生清掃センターにごみを搬入し、みかもクリーンセンター(町谷町206-13)が代替処理する。受け入れ能力には余裕があり、建て替え試算の200億円より経費節減が可。

 工事概要はクレーンや粗大ごみ切断機の更新、各種装置の油圧ユニット交換、耐火物補修、ろ過式集塵機更新、機器冷却水と消火栓ポンプの交換、送風機や空気予熱器更新、煙突補修、搬出装置更新、高圧受配電設備や各種計測装置更新、回転式破砕機部品の更新。

 ごみ処理能力は26・5㌧のストーカ式准連続焼却炉2基を16時間運転で日量53㌧。ごみクレーン1基で受け入れ、灰クレーン1基で灰出しする。平衡通風方式、ガス処理はバグフィルターろ過式集塵方式、有毒ガス除去装置を備える。煙突高は59m。

 粗大ごみ破砕能力は5時間の運転で日量10㌧。投入ホッパー直投方式、破砕形式は横型回転式1基、剪断式1基。鉄、アルミ、可燃物、不燃物の4種は機械選別。その他は手選別。集塵方式はサイクロン1基、バグフィルター1基、排風機1基。

 当初は旧葛生、田沼の両町で構成する「安蘇衛生施設組合」が増加するごみ処理量の増大を背景に1992年6月に着工。建設地は葛生地域の山間部。機能を回復させ、安全で安定的にごみを受け入れられるよう継続稼働に耐えられる改修内容を決定した。

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