那須地区消防組合(組合長・平山幸宏那須町長)は、消防施設整備計画の見直しに向けた調査検討を2025~26年度の2年間実施する方針を固めた。対象施設は湯津上分署、板室分署で建設地や事業費などを検討。新たな整備スケジュールを策定する。計画に位置付けていなかった黒羽分署を含めて検討する考え。22年2月に変更した整備計画では湯津上分署、板室分署とも事業費は8億9900万円を試算。今後の人口減少や財政負担を考慮して計画を見直す。
消防施設整備計画は耐震性がなかった5消防署・分署を対象に16年度に策定。これまで黒磯消防署、塩原分署の整備が完了し、23年度に着工した湯本分署は11月20日までの工期で外構などを整備した。計画は湯本分署の工期に合わせて年次スケジュールを見直しするなど変更を行っている。
現整備計画のスケジュールは、湯津上分署は25年度に設計、26年度に工事、板室分署は27年度に設計、28年度に工事を実施。事業費内訳は工事費8億2600万円、設計・監理4900万円、備品やシステムの移設など開設準備経費2400万円を見込んでいる。
計画の各署は耐震性、老朽化に加えて狭あい化が課題。整備は移転改築を前提としており、26年度までの見直し期間中に湯津上と板室分署の建設用地検討や事業費の精査などを進め、新たなスケジュールを設定。12年度に耐震補強を実施した黒羽分署も老朽化が進んでいるため整備を検討していく考え。
湯津上分署、板室分署の庁舎棟の規模は延べ床面積800平方m程度。各分署とも倉庫棟が必要とし、敷地面積は庁舎や付属棟などの建設用地のほかに緊急車両出動経路、訓練スペース、駐車場などを考慮して2000平方m程度を確保する。
現在の庁舎は湯津上分署(76年建築)がS造延べ198平方mの庁舎棟と付属棟147平方mで構成。板室分署(74年建築)はCB造290平方m。黒羽分署(71年建築)はS造2階建て延べ395平方mのほか、03年に増築した仮眠室(123平方m)がある。
湯本分署(73年建築)はRC一部S造延べ375平方mの庁舎棟を25年度に解体する予定。
組合は15年10月に旧大田原地区広域消防組合と旧黒磯那須消防組合が統合して発足。管内は4消防署・5分署体制。本部・大田原消防署、黒磯消防署、西那須野消防署、那須消防署、黒羽分署、湯津上分署、板室分署、塩原分署、湯本分署がある。
1970年代に建設された庁舎が多く、組合は統合を機に庁舎整備について検討。管内は面積が広く山間部を抱えることから現行の体制を維持し、災害時の防災拠点機能を確保するため耐震補強未実施庁舎の改築を進めている。