建設業では、全国各地で発生している台風や豪雨などの自然災害からの復旧・復興工事や、国土強靭化を実現するためのインフラ整備等の工事を進めています。これから迎える年末年始は、長期の休業前の慌ただしい中での作業や休業後に生活リズムが戻らない中で作業が行われるなど、労働災害の発生リスクが高まることが懸念されます。
例年通り、本年も年末年始労働災害防止強調期間を迎えることとなりました。
千葉県内の建設業における死亡災害は、昨年は10件と一昨年の8件から増加に転じてしまい、令和3年、4年と2年連続年間発生件数一桁台を続けていましたが、残念ながら昨年はまた二桁台に戻ってしまいました。
今年は10月31日時点で、昨年同時点と同じ9件の発生を見ており、年末は何としても「死亡災害0」で本年を終了したいものと強く望むところです。
本年の死亡災害9件の事故の型を見ますと、「墜落・転落」が3件、「崩壊・倒壊」「高温の物との接触」がそれぞれ2件、「転倒」「激突され」がそれぞれ1件となっており、死亡災害の減少・撲滅のためには、やはり墜落・転落災害の減少・撲滅を図ることが重要となっております。
昨年4月から国の第14次労働災害防止計画がスタートしておりますが、建災防の第9次建設業労働災害防止計画も同じくスタートしております。
第9次建設業労働災害防止計画では、死亡災害減少の目標として第8次計画期間5年間の年平均発生件数に対して15%以上の減少を掲げており、千葉県の場合、第9次計画期間中の年平均発生件数8件以内が目標値となります。
スタート1年目の昨年は、残念なことに死亡災害は10件の発生を見てしまい、今年に入っても既に9件が発生しており、年内のこれ以上の発生はどうしても止めなければなりません。
例年、労働災害が多発傾向にある年末年始に向けて、死亡災害の最多の原因である「墜落・転落災害防止」を最重点として取り組むことが求められています。
また、メンタルヘルスを含めた労働者の健康確保対策も、併せて取り組むことが必要とされています。
建災防千葉県支部は本年も「無事故の歳末、明るい正月」を合言葉に、建設現場における無事故・無災害を支部会員一丸となって目指します。