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【経済対策】必要十分な予算を/国土強靱化の推進へ

2024/11/25 本社配信


 22日に閣議決定した「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」は、日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保を柱に掲げ、全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やすための施策を盛り込んだ。経済対策は速やかに執行するとし、裏付けとなる補正予算を速やかに編成し、早期成立に取り組む。必要十分な予算を確保するとした防災・減災、国土強靱化をはじめ、賃上げ環境の整備、地方創生2・0、物価高対応など直面する課題への対応を図る。

 対策の規模は、日本経済・地方経済の成長へ10・4兆円程度、物価高の克服4・6兆円程度、国民の安心・安全の確保6・9兆円程度とする合計21・9兆円程度の財政支出で、事業規模39兆円程度とした。なお、財政支出のうち、国の一般会計は13・9兆円で、国土強靱化が含まれる安心・安全の確保に4・8兆円とした。

 防災・減災および国土強靱化は、国土強靱化基本計画に基づき、近年の資材価格高騰の影響等を考慮し、必要かつ十分な予算を確保。自助・共助・公助を適切に組み合わせ、ハード・ソフト一体となった取り組みを推進する。引き続き、5か年加速化対策を着実に進める。流域治水等の人命・財産の被害を防止・最小化する取り組み、災害に強い交通ネットワーク・ライフラインの構築等の経済・国民生活を支える取り組みを推進する。予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策を進める。インフラ・防災分野におけるデジタル技術の活用、次期静止気象衛星の整備等を掲げた。

 実施中期計画は、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に切れ目なくこれまで以上に必要な事業が着実に進められるよう、能登半島地震の経験も踏まえ、策定に関する検討を最大限加速し、早急に策定する。


◎最低制限と低入/対応徹底を図る


 喫緊の課題となる賃上げ環境については官公需でも、入札制度の適切な運用で受注企業の労務費、原材料費等のコスト増加分が価格転嫁され、賃上げ原資の確保につながることが必要。年内を目途に、最低制限価格制度、低入札価格調査制度の趣旨に則った対応を徹底。運用実態を調査し、運用改善を検討する。少額随意契約制度も、長期間上限価格が改定されていないため年内を目途に、運用実態の調査、あり方を検討する。

 建設業の持続的成長、価格転嫁の円滑化、賃上げ原資の確保に向け、第3次担い手3法を着実に施行し、その内容の周知広報を徹底。重層下請構造の適正化に向けた実態調査、適正な見積りの普及、建設Gメンを活用した事業者間取引の調査・改善指導を強化する。

 約束手形・電子記録債権等の支払サイトの短縮・現金払い化、26年の約束手形の利用の廃止に向けた取り組みを促進する。

 警備業は8月に改定された業界の自主行動計画を踏まえ、民民の取引、官公需において、労務費を含めた適切な価格転嫁を進める。

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