日本橋梁建設協会(川端篤敬会長、橋建協)と北陸地方整備局との意見交換会が11月29日、新潟市中央区のホテルグローバルビュー新潟で開かれた。橋建協が重点活動テーマとする▽鋼橋事業の継承と進化▽現場安全対策の推進▽鋼橋DXの推進▽既設橋梁の強靱化・健全化の推進―の項目について、協会側の要望や北陸地整の取り組みなどを議論した。
冒頭、橋建協の川端会長は相次ぐ自然災害を踏まえて、協会として国土強靱化に貢献できるような災害に強い鋼橋を積極的に提案していく考えを示すとともに「新設橋梁の発注が激減している。計画中の案件の早期発注をお願いしたい」と話した。
北陸地整は情報提供として、新潟・富山・石川の3県および新潟市内で計画中の主要事業箇所のうち、鋼橋の使用を想定する事業を地図上で紹介したほか、能登半島地震・豪雨の状況や被災地における労働者宿泊費計上の仕組みなどを紹介した。
意見交換では、橋建協が事業量確保と国土強靱化への貢献として、長大橋プロジェクトの推進、多彩な形式の採用、国土強靱化に貢献できる鋼橋の採用、カーボンニュートラル推進などを要望。河川内橋脚数を減らした「ピアレス橋梁」を橋梁の災害復旧において選定することや、今後の計画的な新設、架け替え事業での積極的な採用を求めた。加えて災害時早期復旧に有利な鋼橋を平時からも積極的に採用するよう提案した。北陸地整は橋梁形式の選定は現場条件や各橋梁が持つ特長やメリットを踏まえた上で総合的に判断しているとし、理解を求めた。長期安定的な事業量確保に向けては、北陸地整が「波が出て来る中でも事業をできるだけ平準化し、地域の活性化に向けて次の工事が出てくるような仕込みをしていきたい」との考えを伝えた。
また、今回は北陸3県と新潟市の関係者も参加したことから、各自治体が時間外労働の削減や週休2日制の取り組み内容を説明した。
総括で北陸地整の髙松諭局長は「発注量を増やすことは簡単ではないが、早い時期からどのような時期にどのような桁を発注していくのかについて、極力一括審査となるよう考えていきたい。上流の設計段階から発注時期、規模感も検討し、皆さまの工場が維持できるような仕組みを進めさせていただく」と述べ、少し先の見通しを提示できるよう取り組む姿勢を見せた。
【写真=鋼橋事業の諸課題で意見を交換】