足利市は、主要地方道足利太田線が1級河川渡良瀬川を渡河する渡良瀬橋の架け替えとルートの検討に着手する。渡良瀬橋から上流約200mに市道織姫参道相生通り(通4丁目ほか)約1・5㎞を新設する道路予備設計を委託。うち渡河部は約350m。市都市政策課によると、今年度末をめどに成果品をまとめ、県との整備手法や役割分担など協議・調整に備える。成果品では、道路と平面4交差点の位置を確定するほか、国との河川協議に備え橋梁・道路の標準横断図をまとめる。織姫参道相生通りの予備設計はシー・アイ・エスが担当。
渡良瀬橋は1934年9月竣工。シンガーソングライターの森高千里が93年1月25日「渡良瀬橋」を発売。全国的に知名度を高めた。渡良瀬川の永久橋では日光市足尾町の古河橋に次いで架設年度が古い。64年に歩道橋を併設している。
橋長は272m、幅員5・5mの下路平行弦6連ワーレントラス橋。上部工は桜田機械製造所RC単純桁。下部工が井筒基礎。架設後90年の老朽化に加え桁下高が確保されていないため、洪水時には堤防の低い渡良瀬橋付近から市街地に水が流れ込む危険性が指摘されてきた。
国交省が2017年12月に公表した利根川水系渡良瀬川河川整備計画では、渡良瀬橋地点の計画高水流量を毎秒3300立方m。桁下高が確保されていない橋梁は洪水の安全な流下の阻害となる恐れが高く、関係機関と調整のうえ、架け替えを行うとしている。現在は渡良瀬橋下流の主要地方道足利千代田線中橋の架け替えを進めている。
道路の予備設計では、北の渡良瀬川左岸側を主要地方道桐生岩舟線織姫交番前交差点から、南は右岸側で東武鉄道伊勢崎線の北側で並行する足利太田線と一般県道借宿西新井線との交差点まで約1・5㎞の法線を検討する。
約1・5㎞のうち渡良瀬川渡河部を含む右岸側が新設区間で延長は約500m。交差点予備設計は左岸側が桐生岩舟線と左岸堤防上の市道渡良瀬堤防通りの2カ所。市道織姫参道相生通りの幅員は、両側歩道で車道2車線の18m。右岸側は足利太田線合流部と借宿西新井線分岐交差点の2カ所の計4カ所。
右岸側では山辺西部第2地区土地区画整理事業地へのアクセス性。左岸側ではJR両毛線を跨ぐ織姫跨線橋などとの整合や課題を整理する。
橋梁一般図では橋梁部350mについて50mごとに1点の基準点測量計7点を実施。現地測量を踏まえ、地形、既存構造物、周辺の土地利用状況を考慮し最適な架設位置を決定する。河川条件と支間長に対する標準的な上部工形式で橋梁一般図と道路縦断図を作成する。
具体的には、渡良瀬川の計画平面・縦横断図と現地測量を踏まえ、橋台の位置と橋長、方向を固める。また、渡良瀬川の基準径間長や低水路護岸の位置などを考慮して橋脚の設置位置と支間長、方向を決定。決定した支間長に対応する標準的な上部工形式で橋梁一般図を作成する。