関東地方整備局は、茨城港常陸那珂港区国際海上コンテナターミナル等整備事業を継続することを事業評価監視委員会(2日開催)に諮り、承認された。現在は防波堤(東)、D岸壁(中央)、E岸壁(中央)の整備を進めており、D岸壁は2026年度、E岸壁は30年度、防波堤(東)は35年度の完成を目指す。事業費については、資材価格や人件費の上昇、荒天日数の適切な設定などにより約56億円増額。増加する貨物需要への対応、地域産業の国際競争力の強化などの観点から事業の必要性・緊急性が高く、事業を継続することが妥当と承認された。
常陸那珂港では①外港地区国際海上コンテナターミナル等整備事業(A~C岸壁、防波堤(東)など)②国際物流ターミナル整備事業(D岸壁など)③中央ふ頭地区国際物流ターミナル整備事業(E岸壁など)-を進めている。
一方で、中央ふ頭地区国際物流ターミナル整備事業の24年度の新規事業化に伴い、北ふ頭地区と中央ふ頭地区の貨物需要に対して、ふ頭全体で物流の効率化を図る事業計画の見直しを実施している。
また、防波堤(東)は各岸壁の静穏度の向上に寄与するため、両ふ頭で実施中の3事業による投資効果が相互に寄与する状況になっている。そのため、3事業を一体のプロジェクトに整理した上で、事業評価監視委員会に諮った。
事業は現在、防波堤(東)、D岸壁(中央、水深12m)、E岸壁(中央、水深14m)の整備を進めている。
一方で、事業費については、建設資材や人件費の上昇で約32億円、荒天日数の適切な設定(改正労働基準法への対応)で約12億円、作業船(FD船)の逼迫による調達計画の見直しなどで約12億円それぞれ増額。増額後の事業費は1493億円となる。
事業期間も延長。完成予定は、防波堤(東)は32年度から35年度に、D岸壁は24年度から26年度に延長。調査・設計を進めているE岸壁は30年度を予定している。
事業の必要性・緊急性は高く、県からも早期完成を要望されている。
そのため、コスト縮減を図りながら事業を継続することを同委員会に諮り、委員会は妥当とした。