国土交通省は公共工事の入札および契約の適正化を図るための措置に関する指針(適正化指針)の改正案を明らかにした。第3次担い手3法による改正入札契約適正化法、改正建設業法の6カ月施行に合わせて12月中旬に閣議決定を想定している。今回のポイントは、各省庁や地方公共団体に対する勧告等の部分で、改善措置を要請してもなお改善しない場合に勧告を行う。勧告を受けた場合は、直ちに措置を講じることになる。
適正化指針は、入契法に基づくもので、国土交通相、総務相、財務相が案を作成し閣議決定する。国、地方公共団体、特殊法人等の発注者は、適正化指針に従って必要な措置を講じる努力義務がある。また、措置の状況報告を求め、概要を公表する(入契調査)。国交、財務相は省庁に、国交、総務相は地方公共団体に対し、特に必要と認められる措置を講じることを要請、さらに今回の法改正により勧告等を行うことになった。
改正骨子案は▽入契法・建設業法改正への対応▽品確法改正への対応▽昨今の課題への対応―の3つをポイントに構成する。
入契法・建設業法では、価格転嫁についてスライド条項の運用基準の策定を位置付けた。誠実変更協議義務があり、予算が足りない、過去に変更契約をしたことがないなどは協議に応じない理由にはならない。
現場管理におけるICT活用の推進は、ICT指針ができるのを踏まえて適切に行うことを明記。情報通信技術活用について新項目を立てている。
発注関係事務のICT活用は、CCUS等での施工体制確認だが、ASPと電子契約を盛り込み、今後の要請などでの根拠になる。
発注体制の整備も新たな項目立て、これまでの内容に加え品確法にある研修会の実施などを盛り込んだ。
発注者に対する要請、勧告等については、要請を受けたら対応することを改めて示した。新たに加わった勧告は、要請があっても対応していない場合に勧告するもので、勧告を受けたら直ちに入札契約の改善に取り組むよう明記した。勧告を受けないように取り組む流れを目指す。
技能労働者の処遇改善は、以前より盛り込まれていたが、CCUSの活用などを明記している。