国土交通省は、i-Construction2・0、ICT施工などで中小企業での取り組みの遅れが指摘される中、実施状況や課題についてまとめた。主な課題として▽購入費用▽経験不足(人材不足)▽効果比較―の3点を挙げている。
直轄工事でのICT施工の経験分析によると、全国企業とされるA等級は96・8%、B等級94・9%が2016~23年度に実施、つまり経験があるとされる。一方、地域を基盤とするC、D等級は状況が異なる。C等級は受注した6253者のうち1699者、64・8%にとどまり、さらにD等級は1万217者の受注者のうち149者、実に17・0%の経験。C、D等級合わせると52・8%の経験という二極化の結果が表れている。
一方、土木工事におけるICT施工の実施状況は23年度、国交省直轄は公告件数の87%となっており、22年度と同じだった。都道府県・政令指定都市は公告件数・実施件数が増加しているが、実施率は横ばいでここ数年は20%台前半となっている。
i-Conに関する説明会や研修は、施工業者向け、発注者向けで実施しており、対面とオンライン、座学と実習といった開催方法なども工夫して多様な講義を行っている。
ICT施工を進めるに当たっての課題の一つ、購入費用はICT建機、3次元計測機器などの費用が高額という問題。国交省の場合は、ICT施工にかかる費用は発注額について、ICT建機のリース代などには対応しているが、都道府県や政令市などは踏み込めていないようだ。
また、今後も継続的・持続的にICT施工を行うのか未知数である。建機を購入してまで対応できないといった課題が出てきているとも言われている。
経験不足や効果に関しては、説明会や研修などをしっかり進めることがポイントとなってくる。