11月22日に自由民主党の国土強靱化推進本部長に就任した佐藤信秋参議院議員に防災・減災、国土強靱化に対する考えを聞いた。実施中期計画について5年計画と仮定すると「加速化対策の5年で物価が2割上がっているなら、当初予算分32兆円+上積み分15兆円の47兆円に対し2割り増し」とするなど全体の絵姿を固め、その後に中身を詰めていく。1段階目として総額を年内に決める必要性を強調した。ベースが固まれば各省の議論も進められる。
頻発化、激甚化した災害が毎年連続して起きており、「改めて日本は災害列島だ。安全に暮らしていくためには、それに対応した力を国土全体で作っていかなければならないと、認識されてきている」と災害に対する意識の変化を指摘。
国土強靱化基本法の成立から5年が経過した2018年度に3か年緊急対策で予算の上積みを行うようになった。事業費ベースで3か年7兆円。その後の加速化対策は5か年15兆円と続いた。「3年で7兆円なら5年で12兆円ぐらいだが、同じペースでは老朽化の進行に間に合わないため、ベースを2割上げた。だが、その程度で大丈夫かというような災害が頻発している」と懸念する。25年度当初分があって全体の5カ年ととらえ、予定した「5年間の加速化対策分15兆円、当初分32兆円の合計47兆円より増えているだろう」とみている。
実施中期計画に関しては5年、7年などの期間は今後の議論だとし、予算額についても「物価上昇の影響なども当初分と上積み分の全体で考えなければならない。そうしなければパフォーマンスが落ちる」と語った。
強靱化本部の議論としては「実施中期計画の総額をいくらにするかは、物価上昇をどの程度見積もるか。何年で総額いくらとするかが大事なところ」との見解を示す。それが固まった段階で、中身の検討となり、各省が役割を分担し、内容が決まることで、早ければ年度末か年度明け早々にも閣議決定かとみている。
地域建設業は「地域の危機管理業だ」と思っている。自衛隊、消防などは危機に備えて活動しているが、建設業は普段、仕事で稼いでいる。これが災害となれば真っ先に出動。これは「大変なことだ」と感謝の意を示した。