記事

事業者
栃木県下野市

下野市 27年9月の稼働に延期、来年10月に本体工公告、南河内第2中学校区給食センター

2024/12/07 栃木建設新聞

 下野市教育委員会は、南河内第2中学校区給食センター(仮称)の建設スケジュールを軌道修正する。2025年の本体建設工事の入札公告時期を当初の5月から10月に変更し、工事請負契約締結議案を市議会12月定例会に提出する。稼働開始時期を1年先延ばし、27年9月に見直した。設計の履行期間を延長し、基本設計をベースに総工費の圧縮を目指す。当初は建物の構造規模をS造平屋建て延べ800平方mで計画している。

 建設地は薬師寺保育園跡地(薬師寺)の3753・01平方m。周囲に農地が広がる市街化調整区域。東側は主要地方道宇都宮結城線に接し、敷地と道路の高低差はほぼない。食材搬入や給食搬出に十分なスペースを割け、既に更地化されている。

 建設物価調査会総合研究所の調査によると、給食センターに類似するS造建物の建築費指数は20年度比で34%上昇。今後は上昇勢いが弱まることはあっても下がる見通しは立たない。24年6月に基本・実施設計を大森一級建築士事務所に委託した。

 当初は月内に基本設計を済ませ、1月の実施設計移行後は3月に完了する手はずだった。経費削減を講じる事業精査期間を確保するため、設計の履行期限を25年7月末まで延長。着工年度を延期させない範囲で、工事内容や諸室配置計画を練り直す。

 付帯工事では受配校の南河内第2中、祇園小、緑小の給食搬入搬出口の改修工事が必須。搬入搬出口設計は当初の25年度から26年8~9月に変更。改修工事は27年7~8月の夏休み期間を充てる。3校の給食供給は現行の自校方式継続で支障は生じない。

 建設地は3校の校舎から離れているため、建設費が高額で騒音が少ないRC造から建設費を抑えられるS造に改めた経緯がある。当初の概算工事費はRC造延べ665平方mで8億1950万円だったのに対し、S造延べ800平方mで6億7260万円に削減。

 建設地から供給先までの距離と車両配送時間は祇園小1・3㎞(4分)、南河内第2中2㎞(5分)、緑小2・7㎞(6分)と近接。施工期間中は3校の学校運営への影響がなく、工事車両の錯綜や騒音振動の心配がない。敷地に余裕があり、設計の自由度が高い。

 給食調理能力は日量1000食。受配校は祇園小(370食)、緑小(270食)、南河内第2中(350食)。3校の自校方式調理場は建物や設備が老朽化し、学校給食衛生管理基準で定める要件に不適合。加えて児童生徒数増減への柔軟な対応が難しい。

 現行の調理場面積と築年数は祇園小173平方m(36年)、緑小209平方m(29年)、南河内第2中187平方m(30年)。汚染作業区域と非汚染作業区域が部屋単位で区分されておらず、完全に分離したアレルギー対応調理ラインの整備が待たれている。

 建設地は当初予定の祇園小敷地内、薬師寺保育園跡地、長らく未利用状態の旧南河内町立西保育所の3案の中から選定。祇園小敷地は親子方式、他の2候補はセンター方式。メリットとデメリットを比較検討の結果、解体工事や土地造成が不要な適地を絞り込んだ。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら