県地域整備等総合調整会議は10日、(仮称)あしかが久保田産業団地開発(足利市久保田町)の事業主体を県企業局に決定したと発表。開発面積は約22・3ha、総事業費に55億5000万円を見込む。今年度内に用地調査や構造物実施設計など9件を委託。開発協議に向け市は地区計画策定や農振除外、県は市街化区域の編入手続きを進めていく。用地取得・物件移転補償を進め、造成工事は26~29年度.27年度から企業誘致を始め、造成工事の進ちょくを見ながら分譲を開始する。分譲想定面積は16・7ha。
地区は足利市久保田町松の木、神取町、五反田、島合、大行内、町田、山下町、吉次塚、荒田。
今年度内に発注予定の業務委託は整地実施設計、調整池2カ所の実施設計、道路実施設計が2件で幅員12mと9・5mに区分。道路下から暗渠で調整池まで整備する雨水排水管実施設計、鉄塔2カ所の影響検討業務に加え、用地調査業務2件と土地評価業務の7種類9本。
基本設計によると、調整池2カ所のうち北側が面積1万4300平方m、容量1万4000立方m。南側は道路で2カ所に区分されるものの一体的に整備。容量が9000立方m、道路北側の面積が4300平方m、南側は6000平方m。公園は北側が3600平方m、中央部3400平方m。
道路は幅員12mが東西と南北を中央部でT字交差点を形成。南北道路は延長400mで、公園を回り込むように区域東の一般県道野田多々良停車場線に合流する。東西道路の延長は450m。北側の道路幅員は9・5m。南北道路交差点東側の延長が330m、西側は造成に併せ整備する地区外道路で延長が430m。
あしかが久保田産業団地は、南を国道50号、東は県道野田多々良停車場線に面した農地で敷地中央部東西を水路が横断。北と西側は市道に囲まれ台形の形状。
基礎調査地区決定は23年11月。事業主体と開発面積の決定に向け基本設計や地質・土質調査を進めてきた。基本設計は晃洋設計測量、地質・土質調査を福原地質基礎が担当。
市は22年4月、産業ものづくり課内に新産業系用地開発準備室を開設。21年度から検討を進めてきた久保田町の候補地を対象に22年12月、一帯の地権者に対し事業説明会を開催。意向調査の結果、協力に前向きな反応が得られた。
その後、地元調整を進め住民の理解を得て早川尚秀市長が23年3月、福田富一知事に整備要望書を提出している。